何を伝えるための資料か
さくらインターネットが通期の決算で公開している説明資料です。全54ページを5章に分けています。
実績の説明は14ページで終わり、残りは市場環境と成長戦略に使われます。ガバメントクラウドの採択と生成AI向けの投資という2つの話を、決算の数字と同じ資料で通す組み立てです。
全体の作り
54ページのうち5ページが章扉です。実績の章より、これから何をするかの章のほうが長くなっています。
章扉を紺の面だけで作る
章扉は紺の面に白文字で章名を置いただけです。ロゴも罫線も番号もありません。実績の章の手前、振り返りの章の手前というように、話が切り替わる場所に5枚入ります。
本編のページは白地なので、紺の面が出てくると章が変わったと分かります。色の反転だけで区切りを作る方法です。
ヘッダーの下に結論の帯を置く
本編のページには、ヘッダーのすぐ下にグレーの帯が入ります。帯の中に結論が1行か2行あり、強調したい語だけがピンクになります。
図や表はその下です。読み手は帯を読んでから図に入るので、図から結論を組み立て直す必要がありません。帯の高さと位置はページが変わっても同じです。
強調をピンク1色に絞る
本文で使う色は紺・ピンク・グレーの3つです。紺が地の色、グレーが図表の背景、ピンクが強調に当たります。
小見出しの帯もピンクの角丸で統一してあります。数字を目立たせるときも、図の中で主役の要素を囲うときも同じピンクです。読み手は「ピンクなら大事」だけ覚えれば読めます。
実績より先の話に紙幅を使う
実績の章は10ページ目から14ページ目までの5ページで終わります。振り返り、市場環境、経営方針と続き、後半の3章で30ページ以上を使います。
四半期の資料ではなく通期の資料なので、次の1年に何をするかを説明する場として使っている配分です。同じ決算説明資料でも、京セラの四半期資料は28ページ中18ページが実績と予想の数字でした。
表紙で決めていること
決算説明資料の表紙
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# 参考にするスライド さくらインターネット株式会社「2026年3月期 期末 決算説明資料」1ページ目「決算説明資料の表紙」 https://slidezukan.com/docs/sakurainternet-2026q4/#p1 # 分類 資料の種類:決算説明資料 スライドの内容:表紙 図版の型:なし 配色:モノトーン # 読み取った作り - 枠を作っていない:ヘッダーもフッターも帯も置かず、白地の中央に文字を積んだだけの表紙です。有彩色はロゴの赤い一点しかありません。 - 中央に1列で積む:期・資料名・日付・ロゴ・著作権を、すべて画面中央の縦1列に並べています。左右に振り分けないので、視線が横に動きません。 - 大きさで階層を作る:資料名だけを極端に大きくし、期と日付は本文並みの小さな文字に落としています。色を使わず、サイズの差だけで主従が決まります。 # 資料全体の決まり - 使用する色は5色まで - 章の切れ目に中扉を置く - 表紙の配色を以降のページへ引き継ぐ - 表紙の次はサマリー # 依頼 上の作りをそのまま使って、次の内容でスライドを1枚作ってください。 内容:(ここに自分が載せたい内容を書く) 変えたいところ:(あれば書く。無ければ「なし」)
白地の中央に文字を積んだだけの表紙です。有彩色はロゴの一点しかなく、階層は文字の大きさだけで作っています。
さくらインターネットの通期決算説明資料、1ページ目にあたります。
決算説明会の資料は2つの場面で読まれます。当日は登壇者が口頭で補いますが、同じ PDF が IR サイトに残り、以後は説明する人なしで読まれます。さくらインターネットは東証プライム上場のクラウド事業者です。読み手は機関投資家からアナリスト、個人投資家まで幅がありますが、業種が明確なので表紙で事業を説明する必要はありません。
5つです。
| 要素 | 置き場所 |
|---|---|
| 対象期 | 中央、小さく |
| 資料名 | 中央、いちばん大きく |
| 日付 | 中央、小さく |
| 社名ロゴ | 中央下 |
| 著作権表記 | ロゴの下、極小 |
すべてが画面中央の縦1列に並んでいます。左右に振り分けた要素はひとつもありません。免責も登壇者名も入っていません。ページ番号もありません。装飾もありません。
掲載している表紙8枚は、作り方が4通りに分かれました。
| 型 | 例 | 得るもの | 失うもの |
|---|---|---|---|
| 写真を主役にする | 野村不動産 | 事業や実績そのものを見せられる | 文字を置ける場所が写真に縛られる |
| 色の面を敷く | 明治HD | 基調色が画面を占める | 面が単調になりやすい |
| 白地に文字だけ | 任天堂、さくらインターネット、エン・ジャパン | 手間が最小で、資料名に視線が集まる | 要素が多いと雑然とする |
| 白地に図形を足す | 京セラ、ゼンリン、アイスタイル | 写真素材がなくても表情が出る | 文字と図形の干渉を設計する必要がある |
さくらは3つ目です。
同じ型の任天堂と比べると差が出ます。任天堂はロゴを左上、資料名を中央、社名と日付を右下と対角に散らしました。さくらは全部を中央1列に積んでいます。
要素数はどちらも5つですが、散らすと視線が画面を横断し、積むと縦に一直線に落ちます。余白の見せ方が変わります。
中央に1列で積む
期・資料名・日付・ロゴ・著作権が、すべて中央揃えの縦1列です。
左右に振り分けたらどうなるでしょうか。
資料名を左、日付を右下に置くと、視線が斜めに動きます。動きが出るぶん、余白の形が複雑になります。中央1列なら、左右に等しく余白が残り、形が単純になります。
さくらの表紙で目を引くのは資料名の大きさだけです。配置に変化を付けないので、大きさの差だけが残ります。単純な形が、差を際立たせています。
色はロゴだけ
画面で色が付いているのは、ロゴの左上にある赤い部分だけです。文字はすべて濃いグレーで、黒ですらありません。
基調色を面で置く作りもあります。明治HDは画面の大部分を赤で覆い、以降のページの見出しと色を揃えました。
さくらは逆を選びました。色を足さないことで、視線が資料名に集まります。ロゴの赤だけが有彩色なので、小さくても目に入ります。
階層は大きさで付ける
「2026年3月期 期末」は小さく、「決算説明資料」はその数倍。日付はさらに小さく。3段階の文字サイズだけで、何が主題かが決まっています。
色も太さも変えていません。資料名だけが太字ですが、サイズの差のほうが圧倒的です。
手段を1つに絞ると、その1つの差を大きく取れます。色とサイズと太さを全部使うと、どれも中途半端な差になりがちです。
表紙に載せる要素が5つ以下なら、白地のまま組めます。
中央1列に積むか、対角に散らすかは、余白をどう見せたいかで選んでください。積むと静かな印象に、散らすと動きのある印象になります。どちらも要素が6つを超えると収まらなくなります。
色は、まずロゴの1点だけに絞ってみてください。文字を黒ではなく濃いグレーにすると、ロゴの色がさらに目立ちます。基調色を面で敷くのは、以降のページで同じ色を使い回す前提があるときに効きます。
階層は、色・サイズ・太さのうち1つだけで付けてください。サイズを選んだら、差は数倍にします。2割増し程度の差では、階層に見えません。
免責と著作権を外すかどうかは、資料がどこまで流通するかで決めます。さくらは著作権だけ残して免責を外しました。最終ページに免責を置く運用があるなら、表紙から外せます。
数字を見せる2枚
ARR(年間経常収益)の推移
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# 参考にするスライド さくらインターネット株式会社「2026年3月期 期末 決算説明資料」5ページ目「ARR(年間経常収益)の推移」 https://slidezukan.com/docs/sakurainternet-2026q4/#p5 # 分類 資料の種類:決算説明資料 スライドの内容:業績ハイライト 図版の型:棒グラフ 配色:青 # 読み取った作り - ヘッダーは縦棒とロゴ:左端にピンクの細い縦棒、続いてタイトル、右端にロゴという1行だけのヘッダーです。背景は白のまま、帯を敷いていません。 - 結論をグレーの帯に:ヘッダーの下に薄いグレーの帯を横いっぱいに敷き、結論を1行置いています。本文領域とは色で分かれるので、罫線が要りません。 - 目盛りを2か所で切る:8,000と2,000の2か所で縦軸を波線で切り、13本の棒の差を画面に収めています。棒の高さの差を保ったまま、全期間が1枚に入ります。 # 資料全体の決まり - 使用する色は5色まで - 章の切れ目に中扉を置く - 表紙の配色を以降のページへ引き継ぐ - 表紙の次はサマリー # 依頼 上の作りをそのまま使って、次の内容でスライドを1枚作ってください。 内容:(ここに自分が載せたい内容を書く) 変えたいところ:(あれば書く。無ければ「なし」)
13本の棒を1枚に収めたページです。縦軸を2か所で切って、差を保ったまま全期間を入れています。
さくらインターネットの通期決算説明資料、5ページ目にあたります。ストック型収益を示す ARR の推移を見せるページです。クラウド事業の説明では、売上高より ARR のような積み上がる指標が重視されます。四半期ごとに少しずつ増える数字なので、1期分だけ見せても意味がありません。3年分ほどの推移が要ります。
問題は、積み上がる指標はゼロから始まらないことです。13本の棒はどれも11,000を超えていて、差は1,000〜4,000程度しかありません。
上から4つです。
| 部品 | 中身 |
|---|---|
| ヘッダー | 左端にピンクの縦棒、続いてタイトル、右端にロゴ |
| 結論 | 薄いグレーの帯に1行 |
| グラフ | 13本の棒。縦軸を2か所で波線に切る |
| 注記 | グラフの下に3行 |
棒は13本のうち2本だけが青で、残り11本はグレーです。
掲載している業績ハイライト20枚のうち、棒の本数が10本を超えるものは少数でした。多くは2〜5本です。
本数が増えたときの扱いは3通りに分かれます。
| やり方 | 得るもの | 失うもの |
|---|---|---|
| 縦軸を切る | 差が見えるまま全期間が入る | 棒の長さが値に比例しなくなる |
| 期間を絞る | 軸を切らずに済む | 長期の傾向が見えない |
| 折れ線に変える | 本数が増えても破綻しない | 各期の値が読み取りにくい |
さくらは1つ目です。アイスタイルは24本の棒を軸を切らずに並べていますが、あちらは890万から1,080万への推移で、ゼロからの高さ比が大きく違います。
同じ「棒が多い」でも、値がゼロから始まるかどうかで選べる手が変わります。
縦軸を2か所で切る
縦軸に波線が2本入っています。8,000と2,000の2か所です。
切らなかったらどうなるでしょうか。
13本すべてが11,000を超えているので、棒の上端の差は全体の1割以下になります。13本がほぼ同じ高さに並び、増えている様子が形から読み取れません。棒グラフにする意味が薄れます。
2か所で切ると、上の区間だけが拡大されます。棒の上端の差が画面の中で大きく見え、増加が形で伝わります。
代わりに、棒の長さが値に比例しなくなります。棒の見た目が2倍でも値は2倍ではありません。波線は、そのための断りになります。
結論は帯の中
ヘッダーの下に薄いグレーの帯が横いっぱいに敷かれ、結論が1行入っています。
囲み線で枠を作る方法もあります。さくらは面だけを敷いて、線を引いていません。
線で囲むと、ヘッダーの下の横罫と枠線が近い位置で2本並びます。面なら線が増えないまま、本文領域と分かれます。
帯の色も、文字が読める明るさに留めています。濃くすると結論の文字が読みにくくなるので、背景に徹しています。
青くするのは2本だけ
13本のうち、‘25/3期 Q4と ‘26/3期 Q4の2本だけが青です。残り11本はグレーに落とされています。
全部を青にしたらどうなるか。13本が対等に見えて、読み手はどの2本を比べればよいか分かりません。
2本だけ濃くすると、比較の対象が指定されます。2本の上には「前年同期比 +9.3%」を円で置き、矢印で結んでいます。色と矢印の両方が、同じ2本を指しています。
グレーの11本は消えていません。推移の形は残したまま、読む場所だけが指定されます。
積み上がる指標を棒で見せるとき、まず棒の上端の差が画面の何割を占めるか確かめてください。
1割を切るなら、縦軸を切ることを検討します。切る位置は、いちばん低い棒の下あたりにしてください。全部の棒が切れる位置なら、比較のうえで不公平になりません。
切ったことは波線で示します。断りなしに切ると、値が2倍に見えるグラフになります。
本数が10本を超えるなら、比較したい2本だけを濃くしてください。残りをグレーに落としても、推移の形は失われません。増減率を書くなら、2本を線か矢印で結んで、どの2本の話か示してください。
結論の1行を置くなら、囲み線ではなく薄い面にしてください。ヘッダーの罫線と枠線が近い位置で重なるのを避けられます。
営業利益の変動要因
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# 参考にするスライド さくらインターネット株式会社「2026年3月期 期末 決算説明資料」12ページ目「営業利益の変動要因」 https://slidezukan.com/docs/sakurainternet-2026q4/#p12 # 分類 資料の種類:決算説明資料 スライドの内容:業績ハイライト 図版の型:ウォーターフォール 配色:青 # 読み取った作り - 図を白い面に載せる:本文領域いっぱいに白い角丸の面を敷き、図を面の中に収めています。ページの地がうっすらグレーなので、面の輪郭を描かずに領域が分かれます。 - 括りを図の下に置く:13本の棒を「売上高の増減」と「コストの増加」の2つに分け、括弧を図の下に渡しています。棒の上には何も足さないので、階段の形が崩れません。 - 色で符号を示す:増加を青、減少をオレンジ、始点と終点をピンクと、3色で役割を分けています。矢印も棒と同じ色にしているので、凡例が要りません。 # 資料全体の決まり - 使用する色は5色まで - 章の切れ目に中扉を置く - 表紙の配色を以降のページへ引き継ぐ - 表紙の次はサマリー # 依頼 上の作りをそのまま使って、次の内容でスライドを1枚作ってください。 内容:(ここに自分が載せたい内容を書く) 変えたいところ:(あれば書く。無ければ「なし」)
13本のウォーターフォールを1枚に収めたページです。棒の上には何も足さず、括りを図の下に渡しています。
さくらインターネットの通期決算説明資料、12ページ目にあたります。営業利益が前期からどう動いたかを、要因ごとに分解するページです。営業利益は4,145から403のマイナスへ落ちました。増収はしているのに利益が減っています。読み手にとっては「なぜ減ったのか」が最大の関心事になります。
要因を並べると11本ありました。売上の増減が4本、コストの増加が7本です。
ヘッダーの下に、白い角丸の面が1枚あります。図はすべてその中です。
| 位置 | 中身 |
|---|---|
| 面の上端中央 | 「営業利益の変動要因」の見出し(グレーの角丸) |
| 面の中 | 13本のウォーターフォール |
| 棒の上 | 各要因の名前(引き出し線つき) |
| 面の下端 | 「売上高の増減」「コストの増加」の括弧2本 |
棒の色は3種類です。始点と終点がピンク、増加が青、減少がオレンジ。
掲載しているウォーターフォールは4枚あります。要因の本数で扱いが変わりました。
| 本数 | 例 | 扱い |
|---|---|---|
| 4〜5本 | 京セラ | 要因名を横軸に置ける |
| 6〜8本 | ゼンリン | 名前を棒の上下に振り分ける |
| 11本以上 | さくらインターネット | 引き出し線で名前を外へ出す |
本数が増えるほど、棒の幅が狭くなって名前が入らなくなります。さくらは最も本数が多く、引き出し線を使わざるを得ませんでした。増加と減少で色も分けています。京セラは増減を同じ青にして、符号はラベルの「−」だけに任せました。本数が少なければ色を分けずに済みますが、11本あると符号だけでは追えません。
図を白い面に載せる
ページの地はうっすらグレーです。白い角丸の面を敷いて、図を面の中に収めています。枠線で囲む方法もあります。さくらは線を引かず、地と面の明度差だけで領域を作りました。
線で囲むと、ウォーターフォールの13本の棒に加えて枠線が入ります。棒がすでに多いので、線をこれ以上増やしたくないという判断でしょう。面の角を丸めたことで、四角い棒との差も出ています。棒は直角、面は角丸。形の違いで、図と台が分かれます。
括りは図の下
面の下端に、「売上高の増減」と「コストの増加」の括弧が2本あります。11本の要因が、どちらに属するかを示すものです。
棒の上に書いたらどうなるでしょうか。
棒の上にはすでに要因名が引き出し線つきで並んでいます。括りまで足すと、上側に2段の文字が重なり、階段の形を追う邪魔になります。下に渡せば、棒の上には触れません。括弧の幅がそのまま範囲を示すので、どの棒がどちらかを線でたどる必要もありません。
矢印の色をそろえる
各棒の下に、増減の向きを示す矢印が付いています。増加の青い棒には青い矢印、減少のオレンジの棒にはオレンジの矢印です。
矢印を全部グレーにする方法もあります。ただ棒の色と矢印の色が対応しなくなり、凡例が要ります。
同じ色にすれば、凡例なしで対応が読めます。実際、ページに凡例はありません。色を3つに絞って、それぞれの意味を図の中で完結させています。
ウォーターフォールの要因が何本あるかを、先に数えてください。本数で打てる手が変わります。
5本までなら、要因名を横軸に置けます。棒の幅に収まる長さに名前を削るほうが、引き出し線より読みやすくなります。
10本を超えるなら、引き出し線で名前を外へ出してください。同時に、増加と減少を色で分けます。本数が多いと、符号のラベルだけでは向きが追えません。色は3色までに留めてください。
要因を群にまとめたいときは、括りを図の下に渡してください。棒の上には要因名がすでにあるので、上側に足すと2段になります。
図を台に載せるなら、枠線ではなく面の色で分けてください。ウォーターフォールは棒だけで線が多い図なので、枠線を足すとさらに増えます。角を丸めると、直角の棒との差も付きます。
先を見通す図の2枚
市場背景と成長率
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# 参考にするスライド さくらインターネット株式会社「2026年3月期 期末 決算説明資料」19ページ目「市場背景と成長率」 https://slidezukan.com/docs/sakurainternet-2026q4/#p19 # 分類 資料の種類:決算説明資料 スライドの内容:市場規模・TAM 図版の型:棒グラフ 配色:青 # 読み取った作り - 本文領域を左右で割る:グレーの帯の下を左右2列に割り、同じ構成の組を2つ並べています。線で仕切らず、間に余白を置くだけで分けています。 - 見出しを角丸の面に:各列の頭にグレーの角丸の面を置き、白抜きで市場名を入れています。ヘッダーの縦棒とは別の記号なので、階層の違いが分かります。 - 出典を棒の下に置く:調査会社名とレポート番号を各グラフの下に小さく添えています。画面の中だけで、数字が自社推計ではないと分かります。 # 資料全体の決まり - 使用する色は5色まで - 章の切れ目に中扉を置く - 表紙の配色を以降のページへ引き継ぐ - 表紙の次はサマリー # 依頼 上の作りをそのまま使って、次の内容でスライドを1枚作ってください。 内容:(ここに自分が載せたい内容を書く) 変えたいところ:(あれば書く。無ければ「なし」)
外部調査の市場予測を2つ並べたページです。出典を各グラフの下に置いて、自社推計でないと画面の中で示しています。
さくらインターネットの通期決算説明資料、19ページ目にあたります。事業が置かれている市場の成長性を示すページです。決算資料の後半には、業績そのものではなく前提を説明する場所があります。市場が伸びているなら、自社の成長が一時的でないと示せます。
ただ、市場規模の数字は自社で作れません。外部の調査会社のデータを借りることになります。借りた数字と自社の数字を同じ資料に並べると、読み手はどちらがどちらか分からなくなります。
上から3段です。
| 部品 | 中身 |
|---|---|
| ヘッダー | 左端にピンクの縦棒、続いて「市場背景」、右端にロゴ |
| 結論 | 薄いグレーの帯に2行 |
| 本文領域 | 左右2列。各列に見出し・CAGR・棒グラフ・出典 |
左右の列は罫線で仕切られておらず、間の余白だけで分かれています。
各グラフの下に、調査会社名とレポート番号が小さく2行ずつ入っています。
外部データを引く場面での出典の置き方は、3通りに分かれます。
| 置き方 | 得るもの | 失うもの |
|---|---|---|
| 各グラフの下に置く | どの数字がどの出典か、画面の中で対応する | 同じ出典が繰り返されると冗長 |
| ページ下端にまとめる | 繰り返しが減る | 複数の出典があると対応が分からない |
| 巻末にまとめる | 本文が最も静かになる | その場で確認できない |
さくらは1つ目です。2つのグラフの出典が別々のレポートなので、まとめて書くと対応が取れません。レポート番号(Doc #JPJ53498826)まで書いているのも特徴です。調査会社名だけだと、どの調査か特定できません。番号があれば読み手が原典を追えます。
見出しは角丸の面に
各列の頭に、グレーの角丸の面があり、市場名が白抜きで入っています。
ヘッダーの記号(ピンクの縦棒)とは別の形です。同じ縦棒を小さくして使う方法もありますが、さくらは形を変えました。
縦棒を小さくして使うと、ヘッダーと同じ系列の見出しに見えます。本文領域の中の区切りなので、別の記号のほうが階層が分かります。
角丸の面を選んだのは、下の棒グラフが直角だからでしょう。同じ形を避けることで、見出しと図が混ざりません。
CAGR を突出させる
「2025-2030のCAGR:17.6%」の「17.6」だけが、周りの数倍の大きさでピンクになっています。「%」は小さいままです。
グラフの中に書き込む方法もあります。ただ棒が6本並んでいるので、どの棒の話かが曖昧になります。
グラフの上に独立して置けば、6本全体を通した数字だと分かります。棒そのものには数値ラベルがひとつも付いていません。読ませたい数字を1つに絞った結果です。
出典の置き場所
調査会社名とレポート番号が、各グラフの下に2行で入っています。文字はページの中で最も小さいサイズです。
ページ下端にまとめたらどうなるでしょうか。
左右で別のレポートを引いているので、下端に2つ並べると、どちらがどちらか対応が取れません。「※1」「※2」の記号で結ぶ手はありますが、記号が2つ増えます。
各グラフの下なら、位置だけで対応します。記号を足さずに済みます。
外部データを引くなら、出典をその図の近くに置いてください。ページ下端にまとめられるのは、出典が1つだけのときです。
書く内容は、調査会社名だけでは足りません。レポート名と番号まで入れてください。読み手が原典にたどり着けるかどうかで、数字の信頼性が変わります。番号は小さく添えるだけで足ります。
複数の市場を並べるなら、列ごとに同じ構成にしてください。見出し・要約の数字・グラフ・出典の4段を揃えると、左を読んだ人が右で探し直さずに済みます。
要約の数字は、グラフの中ではなく上に独立して置いてください。グラフの中に書くと、どの棒の話か曖昧になります。上に置けば、グラフ全体を通した数字だと分かります。
見出しの記号は、ヘッダーと別の形にしてください。同じ記号を大小で使い分ける手もありますが、階層が3段以上になると混ざります。
中長期的な成長戦略の全体像
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# 参考にするスライド さくらインターネット株式会社「2026年3月期 期末 決算説明資料」24ページ目「中長期的な成長戦略の全体像」 https://slidezukan.com/docs/sakurainternet-2026q4/#p24 # 分類 資料の種類:決算説明資料 スライドの内容:中期計画 図版の型:マトリクス 配色:青 # 読み取った作り - 図と箇条書きを左右に:本文領域を左に2軸の図、右に施策の箇条書きと割っています。左が方向、右が具体と、役割で列を分けています。 - 軸に文字を沿わせる:縦軸と横軸のラベルを軸線に沿って置き、図の外に凡例を作っていません。2軸の意味が、図を見た位置でそのまま読めます。 - 確認記号で粒度を下げる:右列の施策をチェック記号付きの薄い面にまとめ、見出しより一段小さい文字にしています。見出し2つと詳細という2段階が、面の有無で分かれます。 # 資料全体の決まり - 使用する色は5色まで - 章の切れ目に中扉を置く - 表紙の配色を以降のページへ引き継ぐ - 表紙の次はサマリー # 依頼 上の作りをそのまま使って、次の内容でスライドを1枚作ってください。 内容:(ここに自分が載せたい内容を書く) 変えたいところ:(あれば書く。無ければ「なし」)
2軸の図と施策の一覧を左右に並べたページです。軸のラベルを軸線に沿わせて、凡例を作らずに済ませています。
さくらインターネットの通期決算説明資料、24ページ目にあたります。中長期の成長戦略を1枚にまとめるページです。戦略のページには固有の難しさがあります。方向と具体を同時に示さなければならないことです。方向だけだと抽象的で何も決まっていないように見え、具体だけだと施策の羅列になります。
さくらは、方向を図で、具体を箇条書きで表しました。
ヘッダーとグレーの帯の下が、左右2列に分かれています。
| 位置 | 中身 |
|---|---|
| 左 | 2軸の図。縦は提供価値、横は顧客セグメント |
| 左の図の中 | 白い箱3つ、円2つ、太い矢印1本 |
| 右 | 「共創型エコシステムの拡大」の見出し |
| 右の中 | 施策2つ。各見出しの下に説明1〜2行と確認記号つきの一覧 |
左右の間に罫線はありません。
方向と具体を1枚に収める方法は、3通りに分かれます。
| やり方 | 得るもの | 失うもの |
|---|---|---|
| 図と一覧を左右に並べる | 方向と具体が同時に見える | それぞれの面積が半分になる |
| 図の中に具体を書き込む | 1つの図で完結する | 図が文字で埋まる |
| 図と具体をページで分ける | どちらも大きく見せられる | ページをまたぐ対応が必要になる |
さくらは1つ目です。ゼンリンは中央に図、左右に説明の箱を置く3列構成で、図を中心に据えました。さくらは図と一覧を対等な2列にしています。
図を中心にすると図が主役になり、左右対等にすると具体の施策も同じ重みで読まれます。すでに動き出している施策があるかどうかで、選ぶ形が変わります。
ラベルを軸に沿わせる
縦軸に「提供価値のレイヤー・スケールの拡大」、横軸に「顧客セグメント・ユースケースの拡大」と書かれています。縦軸のラベルは縦書きで、軸線に沿っています。
図の外に凡例として置く方法もあります。「縦軸=提供価値、横軸=顧客セグメント」と2行書けば済みます。
凡例にすると、読み手は図と凡例を往復することになります。軸に沿わせれば、その位置で意味が読めます。
縦書きにしたのも同じ理屈です。横書きのまま縦軸の脇に置くと、軸から離れた場所に文字の塊ができます。
施策は薄い面の上へ
右列の施策は、見出しと説明の下に、チェック記号つきの一覧が薄い面の上に置かれています。見出しより一段小さい文字です。
箇条書きの記号を中黒にする方法もあります。さくらはチェック記号を選びました。
中黒は「これから並べる項目」を示します。チェック記号は「すでに済んだ項目」に見えます。一覧の中身は「取次店制度」「パートナーネットワーク」と、既に存在する仕組みです。記号が内容と合っています。
薄い面に載せたことで、見出し2つと詳細という2段階が、面の有無で分かれます。
始点と終点は円
図の左下に「ガバメントクラウド正式採択」のピンクの円があり、右上に「国産デジタルインフラ企業として領域を拡大」の円があります。2つを太い矢印が結んでいます。
箱で示す方法もあります。図の中にはすでに白い箱が3つあるので、同じ形だと区別が付きません。
円にすれば、箱とは別の種類の要素だと分かります。箱は「やること」、円は「そこからどこへ」という始点と終点です。形の違いが、そのまま役割の違いになります。
戦略のページでは、方向と具体のどちらを主役にするか先に決めてください。決め方で図の大きさが変わります。
図を主役にするなら中央に置いて左右に説明を添え、対等に扱うなら左右2列にします。決めずに描き始めると、図が大きすぎて施策が入らないか、施策を詰めすぎて図が縮むかのどちらかになります。
2軸の図を使うなら、軸のラベルを軸線に沿わせてください。凡例に出すと、読み手が図と凡例を往復します。縦軸は縦書きにすると、軸から離れません。
図の中に置く要素は、役割ごとに形を変えてください。やることは箱、始点と終点は円、というように分けると、凡例なしで種類が読めます。同じ形で色だけ変えると、色の意味を覚える必要が出ます。
一覧の箇条書き記号は、中身に合わせて選んでください。まだ着手していないことなら中黒、すでにあるものならチェック記号を使います。記号と内容がずれていると、読み手が判断を間違えます。
自分で作るなら
54ページを支えているのは、結論の帯を全ページ同じ位置に置くことと、強調の色を1つに絞ることの2つです。
順番としては、まずページの型を決めてください。ヘッダー、結論の帯、図表の3段。帯は1行か2行に収まる長さで書き、収まらないなら図を分けます。
次に色を3つに決めます。地の色、図表の背景、強調。強調は1色だけにして、小見出しの帯にも数字にも図の囲みにも同じ色を使ってください。色が2つあると、読み手はどちらが強いかを探すことになります。
章扉は最後でかまいません。地の色で面を塗り、章名を白で置くだけで足ります。