何を伝えるための資料か
明治ホールディングスが通期の決算で公開している説明資料です。全52ページを3章と参考資料に分けています。
食品と医薬品という性質の違う2つの事業を持つ会社なので、同じ資料の中で読み分けさせる必要があります。事業ごとに色を変える作りが、そのための仕掛けになっています。
全体の作り
52ページのうち3ページが章扉です。本編の大半は、食品と医薬品のどちらかに属するページです。
事業ごとに色を割り当てる
食品のページは橙、医薬品のページは青、全社の話は赤で組まれています。表の見出し行も、グラフの棒も、結論の帯の枠線も同じ割り当てです。
読み手は色を見るだけで、いま食品と医薬品のどちらを読んでいるかが分かります。2つの事業を1冊で説明する資料では、ページをめくった先がどちらの話か毎回確かめる手間が生まれます。色はその手間を消すために使われています。
ヘッダーに事業名を必ず入れる
本編のヘッダーは「食品」または「医薬品」から始まり、縦棒をはさんでページの見出しが続きます。全社の話だけが事業名を持ちません。
色と事業名の2つで同じことを伝えています。印刷して白黒になっても読み分けが崩れない組み方です。
結論を色付きの帯で置く
本編のページは、ヘッダーの下に枠線付きの帯があり、そのページの結論が1行か2行入ります。枠線の色は事業の色と同じです。
帯の中では、数字ではなく方針が書かれます。食品なら「コストアップへの機動的な対応」と「付加価値戦略」と「構造改革」の3つを掛け合わせるという書き方で、下の図表はその裏付けとして並びます。
目次と章扉を両方置く
2ページ目に目次、6・10ページ目に章扉があります。30ページ目には参考資料の扉が入ります。
章扉は白地の左端に赤い帯を通し、章番号と章名を置いただけです。事業の色ではなく全社の赤を使うので、章扉だけは事業に属さないページだと分かります。
表紙で決めていること
決算説明資料の表紙
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# 参考にするスライド 明治ホールディングス株式会社「2025年度 決算説明資料」1ページ目「決算説明資料の表紙」 https://slidezukan.com/docs/meiji-2025fy/#p1 # 分類 資料の種類:決算説明資料 スライドの内容:表紙 図版の型:なし 配色:赤 # 読み取った作り - 面を二重に重ねる:グレーの面を横いっぱいに敷き、内側に赤い面を一回り小さく重ねています。赤が画面の端に触れないので、額縁のような余白が生まれます。 - 赤を左端に突き出す:左端だけ赤い細長い面を画面の外へ抜けるように置き、グレーの枠からはみ出させています。対称の構図に、1か所だけ崩しを入れた形です。 - 社名を面の外に置く:資料名と日付は赤い面の中、社名は面の外の白地に小さく置いています。ロゴも左上の白地側で、面の中には主題だけが残ります。 # 資料全体の決まり - 使用する色は6色まで - 章の切れ目に中扉を置く - 表紙の配色を以降のページへ引き継ぐ - 表紙の次は目次 # 依頼 上の作りをそのまま使って、次の内容でスライドを1枚作ってください。 内容:(ここに自分が載せたい内容を書く) 変えたいところ:(あれば書く。無ければ「なし」)
グレーと赤の面を二重に重ねた表紙です。左端だけ赤を画面の外へ突き出して、収まった構図を1か所で崩しています。
明治ホールディングスの通期決算説明資料の1ページ目にあたります。
明治の資料は全52ページあり、食品と医薬品という性格の違う2事業を扱います。基調色は赤で、以後のページでもヘッダーの縦棒や強調の数字に同じ赤が使われます。
表紙には、基調色を示しつつ資料名を読ませる役目があります。赤は白地との明度差が大きく、そのまま面にすると境が強く出ます。
面が2枚と、文字が5つです。
| 要素 | 置き場所 |
|---|---|
| meiji のロゴとタグライン | 左上、白地の中 |
| グレーの面 | 画面の中ほど。左右いっぱいに近い |
| 赤い面 | グレーの面の内側に一回り小さく |
| 赤い細長い面 | 左端。画面の外へ抜ける |
| 資料名・対象期間・日付 | 赤い面の中。白抜き |
| 社名 | 左下、面の外の白地に小さく |
赤い面の上下と右には、グレーが細く残っています。
掲載している表紙8枚は、作り方が4通りに分かれました。
| 型 | 例 | 得るもの | 失うもの |
|---|---|---|---|
| 写真を主役にする | 野村不動産 | 事業や実績そのものを見せられる | 文字を置ける場所が写真に縛られる |
| 色の面を敷く | 明治HD | 基調色が画面を占める | 面が単調になりやすい |
| 白地に文字だけ | 任天堂、さくらインターネット、エン・ジャパン | 手間が最小で、資料名に視線が集まる | 要素が多いと雑然とする |
| 白地に図形を足す | 京セラ、ゼンリン、アイスタイル | 写真素材がなくても表情が出る | 文字と図形の干渉を設計する必要がある |
明治HDは2つ目です。
面を敷く型には、画面全体を1色で塗り切る作りもあります。掲載資料ではGENDA の章扉がそれで、白地は1か所も残っていません。明治は面をひとつ置く形なので、面の外に白地が残ります。
残った白地の使い道が違いを作ります。塗り切ると文字をすべて白抜きにするしかなく、細い書体が使えません。明治はロゴと社名を白地に黒と赤で置けます。面の中に入れるのは主題だけで済みます。
面を二重に重ねる
グレーの面が横いっぱいに敷かれ、内側に赤い面が一回り小さく重なっています。赤の上下と右には、グレーが数ミリだけ見えています。
赤い面だけを置く作りもあります。
赤だけだと、面の縁が白地に直接触れます。赤と白の明度差は大きく、境の線がはっきり出ます。資料名は赤い面の中にあるので、いちばん強い線が本文の外側を囲むことになります。
グレーを挟めば、白から赤へ明度が段階的に変わります。グレーの面は額縁として働き、赤の縁が単独で立つことがなくなります。
左端で赤を突き出す
左端に赤い細長い面があり、グレーの面より左、画面の端まで抜けています。
突き出さない作りもあります。二重の面を、上下左右とも同じ余白で収める形です。
収めると、面が画面の中に完全に収まります。紙の上に長方形が2枚置かれた図になり、面の大きさは画面の内側で決まります。
1か所だけ端まで抜くと、面が画面の外へ続いていると読めます。突き出しているのは左端だけなので、ほかの3辺の余白はそのまま残ります。
社名を面の外に置く
資料名・対象期間・日付が赤い面の中にあり、社名とロゴは面の外、白地の上です。
社名も面の中に入れる作りもあります。
入れると、面の中に5つ並びます。読み手が表紙で探すのは資料名と対象期間です。社名とロゴは、どの会社の資料かを示すだけの情報です。
面の外へ出せば、面の中は主題だけになります。京セラもゼンリンも、ロゴや日付を面の外の白地に置いていました。面を使う表紙に共通する分け方です。
色の面を敷く表紙では、全面を塗るか面をひとつ置くかを先に決めてください。
面をひとつ置くなら、外に白地が残ります。ロゴと社名を黒や基調色の文字で置けるので、白抜きにできない細い書体も使えます。
基調色が赤や黒のように白と明度差の大きい色なら、一回り大きい中間色の面を下に敷いてください。グレーを数ミリ見せるだけで、縁の線が和らぎます。
面を左右対称に収めたら、1か所だけ崩します。崩す場所は画面の端まで抜ける形にしてください。内側で崩すと、ただの位置ずれに見えます。
面の中に入れるのは、資料名と期と日付までです。ロゴ・社名・免責は外の白地へ出してください。
数字を見せる2枚
ROE の推移と還元性向
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# 参考にするスライド 明治ホールディングス株式会社「2025年度 決算説明資料」5ページ目「ROE の推移と還元性向」 https://slidezukan.com/docs/meiji-2025fy/#p5 # 分類 資料の種類:決算説明資料 スライドの内容:業績ハイライト 図版の型:折れ線 配色:赤 # 読み取った作り - ヘッダーは縦棒とロゴ:左端に赤い縦棒、続いてタイトル、右上にロゴという構成で、帯も罫線もありません。縦棒が資料全体を通した見出しの記号になっています。 - 本文領域を3段に積む:上に折れ線、中に中期計画の帯と年度、下に総還元性向の表と、3段を同じ横軸に沿って重ねています。縦に目を落とせば同じ年度の話が読めます。 - 未来だけ点線にする:実績を実線の黒、計画への回復を赤い点線の矢印で描き分けています。同じ折れ線の上で、確定と見通しが線種で分かれます。 # 資料全体の決まり - 使用する色は6色まで - 章の切れ目に中扉を置く - 表紙の配色を以降のページへ引き継ぐ - 表紙の次は目次 # 依頼 上の作りをそのまま使って、次の内容でスライドを1枚作ってください。 内容:(ここに自分が載せたい内容を書く) 変えたいところ:(あれば書く。無ければ「なし」)
ROE の折れ線と総還元性向の数値を、同じ横軸で3段に積んだページです。下がった実績を隠さず、回復の道筋だけ点線で描いています。
明治ホールディングスの通期決算説明資料の5ページ目にあたります。ROE の推移と総還元性向を並べたページです。扱う数字に都合の悪さがあります。ROE は18年度の12.2%から25年度の4.6%まで、8年かけて下がりました。中期経営計画も3期にまたがっています。
下がった線をそのまま描けば、右肩下がりのグラフになります。かといって直近だけを切り出すと、都合のいい範囲を選んだように見えます。
ヘッダーの下が3段です。
| 位置 | 中身 |
|---|---|
| ヘッダー | 左端に赤い縦棒、続いて1行。右上に meiji のロゴ |
| 上段 | ROE の折れ線。実績8点と26年度計画 |
| 分岐 | 24年度から25年度へ、グレーの点線で7.1%の点 |
| 右上 | 赤い点線の矢印と「早期に10%水準に回復」 |
| 中段 | 中期経営計画3期の矢羽根と、年度のラベル9個 |
| 下段 | 「総還元性向」の数値9個。薄い青の箱 |
ヘッダーに罫線も帯もありません。赤い縦棒が見出しの記号です。
目標までの距離をどう示すかで、3通りに分かれます。
| やり方 | 得るもの | 失うもの |
|---|---|---|
| 長期の推移を全部描く | 下がった経緯まで示せる | 右肩下がりの形が残る |
| 現在地と目標だけを並べる | 目標への距離が単純に読める | いつから下がったかは分からない |
| 目標だけを示す | 主張がいちばん強く出る | 現在地が分からない |
明治HDは1つ目です。京セラの ROE 予想は2つ目にあたり、円を4つ並べて現在地・今回の予想・前回の予想・中期目標を示しました。推移は描いていません。
京セラのページは予想の上方修正を伝えるもので、扱うのは1年ぶんの変化です。明治のページは8年の推移を扱います。
推移を描くと、下がった事実が形で残ります。明治は範囲を切り詰めず、18年度から描いたうえで、回復の部分を線種と色で分けました。下がった経緯を見せたほうが、回復の主張に裏付けが付くという判断だと読めます。
3段を同じ横軸に積む
上段が ROE の折れ線、中段が中期経営計画の区切りと年度、下段が総還元性向の数値です。横軸は9年度ぶんで共通しています。
ページを分ける作りもあります。ROE のページと還元のページを別々に立てる形です。
分けると、同じ年度の ROE と還元性向を見るのにページをまたぎます。25年度は ROE が4.6%まで下がった年で、総還元性向は81.1%です。利益が減っても還元を維持したという話は、2つを並べないと出てきません。
同じ横軸に積めば、縦に目を落とすだけで対応が取れます。中段の矢羽根が中期計画の区切りを示すので、どの計画の期間かも同時に読めます。
中国減損の影響を分岐で描く
24年度から25年度にかけて、黒い実線とは別に、グレーの点線が7.1%の点へ伸びています。「(中国減損影響除く)」と添えられています。
影響を除いた数字だけを描く作りもあります。
除いた数字だけだと、実際に計上した4.6%が資料に出てきません。読み手が有価証券報告書で見る数字と合わなくなります。
実線を4.6%に引いたまま、点線で7.1%を分岐させれば、両方が載ります。線種が違うので、どちらが実績かも分かります。下段の総還元性向でも、25年度の下に52.1%が同じ断りで添えられています。図と表で同じ扱いに揃えた形です。
回復の区間は実線のまま残す
折れ線は18年度から26年度計画まで、ずっと黒い実線です。26年度計画のマーカーと「8.0%」の文字だけが赤く、その先が赤い点線の矢印に変わります。
26年度計画の区間も点線にする作りもあります。確定していない数字なので、線種で分ける形です。
点線にすると、25年度の4.6%から8.0%へ立ち上がる区間が点線になります。ページの主張は回復なので、いちばん見せたい区間だけが細く弱い線になります。
実線のまま残せば、回復の形がそのまま出ます。確定していないことは、マーカーと数字を赤にすることで示しています。線種を使うのは、時期を決めていない10%の目標だけです。10%の点には年度のラベルが付いておらず、横軸の外に置かれています。線種・色・位置の3つで、確からしさの3段階を分けた形です。
指標が下がった期間を含む推移を見せるなら、範囲を切り詰めないでください。
切り詰めると、都合のいい範囲を選んだように読まれます。全期間を描いたうえで、回復の部分を線種と色で分けるほうが、主張に裏付けが付きます。
関連する2つ以上の指標は、ページを分けずに同じ横軸で積んでください。縦に目を落とすだけで対応が取れます。段は3つまでにしてください。4段になると、1段あたりの高さが折れ線の振れ幅より小さくなります。
一時的な要因を除いた数字を載せるなら、実際の数字と両方描きます。実線と点線で分岐させれば、どちらが実績かも分かります。除いた数字だけを描くと、公表値と合わなくなります。
確からしさが3段階あるなら、線種だけで分けないでください。いちばん見せたい区間が点線になると、主張が弱まります。実線のまま残して、マーカーと数字の色で断るほうが形が残ります。時期の決まっていない目標は、横軸のラベルを付けずに軸の外へ置きます。
生産体制最適化のロードマップ
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# 参考にするスライド 明治ホールディングス株式会社「2025年度 決算説明資料」19ページ目「生産体制最適化のロードマップ」 https://slidezukan.com/docs/meiji-2025fy/#p19 # 分類 資料の種類:決算説明資料 スライドの内容:中期計画 図版の型:年表 配色:オレンジ # 読み取った作り - 帯を2枚置く:本文領域を「生産体制最適化」と「全社的な構造改革」の2つに分け、それぞれオレンジの帯を見出しとして置いています。帯の色は同じで、扱いが対等だと分かります。 - 時系列を中央の軸に:中央に横長の帯を1本通し、上に新工場、下に生産終了を振り分けています。同じ時間軸の上下で、増える側と減る側が向かい合います。 - 影響を軸の下に敷く:年度ごとの影響を、軸の下に3つの薄い面として並べています。時期の区切りが上の軸と揃うので、いつ何が効くかが縦に読めます。 # 資料全体の決まり - 使用する色は6色まで - 章の切れ目に中扉を置く - 表紙の配色を以降のページへ引き継ぐ - 表紙の次は目次 # 依頼 上の作りをそのまま使って、次の内容でスライドを1枚作ってください。 内容:(ここに自分が載せたい内容を書く) 変えたいところ:(あれば書く。無ければ「なし」)
工場の新設と生産終了を、1本の時間軸の上下に振り分けたページです。軸の下には、時期ごとの損益への影響を敷いています。
明治ホールディングスの通期決算説明資料の19ページ目にあたります。食品事業の構造改革を示すページです。生産体制の再編には、説明しにくい時間差があります。新しい工場を建てると減価償却費が増え、古い工場を閉めると固定費が減ります。どちらも同じ時期には起きません。
25年度は閉鎖が先行して固定費が減り、26年度は新工場の償却費が上回り、27年度には逆転します。損益への影響の向きが、年度ごとに変わります。
帯を見出しにした2つのまとまりでできています。
| 位置 | 中身 |
|---|---|
| ヘッダー | 左端に山吹色の縦棒、「食品|徹底した構造改革の推進」 |
| 上の帯 | 「生産体制最適化による利益への影響」。山吹色 |
| 軸 | 横長の帯1本。25年度から27年度まで |
| 軸の上 | 新工場。北海道・神奈川と、赤い枠の注記 |
| 軸の下 | 生産終了。東北・松山・西春別ほか6か所と月 |
| 軸のさらに下 | 影響を示す薄い面3つ |
| 右 | コスト削減効果の箇条書き |
| 下の帯 | 「全社的な構造改革」。同じ山吹色。箇条書き2項目 |
軸の上には黒い丸で月が打たれ、それぞれに工場名が縦書きで添えられています。
時期と影響をどう並べるかで、3通りに分かれます。
| やり方 | 得るもの | 失うもの |
|---|---|---|
| 軸の上下に増える側と減る側を振る | 両者の時間差が形で分かる | 項目が多いと軸が混む |
| 軸の上だけに順に並べる | 項目をいくつでも足せる | 増減の向きは読み取れない |
| 表に年度と施策を書く | 正確に読める | 時間差が実感できない |
明治HDは1つ目です。AWS の前提の年表は2つ目にあたり、細い横線の上へ年を等間隔に3つ置きました。AWS の年表に並ぶのは、開発の進め方が段階的に変わってきた経緯です。どれも同じ向きの事実で、増える減るという対がありません。明治が扱うのは工場の新設と閉鎖で、損益に逆向きの影響を与えます。
逆向きのものを上下に振り分けると、同じ時期に何と何が起きるかが縦に読めます。26年度の欄では、上に北海道・神奈川の新工場、下に松山・西春別の生産終了が並びます。
軸を中央に通す
横長の帯が1本、画面の中ほどを通っています。上が新工場、下が生産終了です。左端には「新工場」「生産終了」のラベルが縦に置かれています。
軸を上端か下端に置く作りもあります。項目を片側にだけ並べる形です。
片側に寄せると、新工場と生産終了が縦に積まれます。同じ26年度の出来事でも、上下に離れた位置になります。時期が同じかどうかを、横の位置で照合することになります。
中央に通せば、軸を挟んで向かい合います。上下の距離が近いので、同じ月の出来事が一目で対になります。
影響を軸の下に敷く
軸のさらに下に、薄い面が3つ並んでいます。「固定費減」「減価償却費増>固定費減」「減価償却費増<固定費減」と入り、年度の区切りに合わせて幅が変わります。
影響を箇条書きで右側に書く作りもあります。
箇条書きにすると、どの年度の話かを文中で断ることになります。「25年度は固定費減が先行」「26年度は償却費増が上回る」と、年度を毎回書き添える形です。
面として敷けば、幅がそのまま期間を示します。上の軸と区切りの位置がそろっているので、いつ向きが変わるかが縦に読めます。文字は「固定費減」の4文字で足ります。
帯を2枚置いて対等に扱う
本文領域が「生産体制最適化による利益への影響」と「全社的な構造改革」の2つに分かれ、それぞれ同じ山吹色の帯が見出しとして置かれています。
下の話を上の話の一部として扱う作りもあります。帯を1枚にして、全社の話を箇条書きの末尾に足す形です。
末尾に足すと、全社的な構造改革が生産体制の話の付録に見えます。ノンコア事業の整理は工場の再編と別の施策で、上下関係もありません。
帯を2枚にして色も大きさもそろえれば、2つが対等だと分かります。上が図で下が箇条書きという違いはありますが、扱いの重さは同じです。
施策の時期を並べるなら、損益への影響が逆向きになるものがあるかを確かめてください。
逆向きのものがあるなら、軸を中央に通して上下に振り分けます。増える側を上、減る側を下と決めておけば、同じ時期の出来事が対になって読めます。片側に寄せると、時期の照合が横方向の作業になります。
影響の向きが時期によって変わるなら、軸の下に面を敷いてください。面の幅が期間を示すので、文中で年度を断らずに済みます。区切りの位置は上の軸と必ずそろえてください。
性格の違う施策を同じページに載せるなら、見出しの帯を2枚置きます。色と大きさをそろえれば、対等だと伝わります。片方を箇条書きの末尾に足すと、付録として読まれます。
軸に打つ点は8つまでにしてください。明治のページでは6つの月に工場名が縦書きで添えられていて、幅がぎりぎりです。
先の見通しを図にした2枚
キャッシュアロケーションの見通し
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# 参考にするスライド 明治ホールディングス株式会社「2025年度 決算説明資料」29ページ目「キャッシュアロケーションの見通し」 https://slidezukan.com/docs/meiji-2025fy/#p29 # 分類 資料の種類:決算説明資料 スライドの内容:中期計画 図版の型:フロー図 配色:赤 # 読み取った作り - 本文領域を左右で割る:左にキャッシュの配分図、右に数値の表と箇条書きを置いています。左が方針、右が実数という分担です。 - 図を枠で囲う:左の配分図だけを細い枠で囲い、右の表とは別のまとまりだと示しています。右側には枠がなく、罫線だけで組まれています。 - 変化を丸い矢印で示す:当初計画から下振れした箇所に、赤い円の中に下向き矢印を置いています。数字を書き換えず、記号を重ねることで修正だと分かります。 # 資料全体の決まり - 使用する色は6色まで - 章の切れ目に中扉を置く - 表紙の配色を以降のページへ引き継ぐ - 表紙の次は目次 # 依頼 上の作りをそのまま使って、次の内容でスライドを1枚作ってください。 内容:(ここに自分が載せたい内容を書く) 変えたいところ:(あれば書く。無ければ「なし」)
キャッシュの出入りを左の図、実績を右の表に分けたページです。下振れした箇所には、数字を書き換えず赤い記号を重ねています。
明治ホールディングスの通期決算説明資料の29ページ目にあたります。3年間のキャッシュアロケーションを示すページです。
説明しにくいのは、方針と実績がずれていることです。図に描かれているのは2024年5月に公表した中期計画の方針で、営業 CF 約3,500億円、戦略投資・経常投資 約3,500億円という数字です。
2年が過ぎた時点で、営業 CF は当初の見込みを下回っています。当初の方針を消せば、何を修正したのかが分かりません。書き換えれば、最初から今の数字だったように見えます。
左右で役割が分かれます。
| 位置 | 中身 |
|---|---|
| ヘッダー | 左端に赤い縦棒、「キャッシュアロケーションの見通し」 |
| 左 | 配分の図。細い枠で囲む |
| 図の左側 | キャッシュイン。自己資金・営業CF・資産圧縮の3段 |
| 図の右側 | キャッシュアウト。戦略投資・株主還元・M&A の3段 |
| 記号 | 赤い円の中に下向きの矢印。2か所 |
| 右上 | 3年度分の表。営業CF・設備投資・配当・性向 |
| 右下 | 箇条書き3項目 |
図の枠の外、左下と右下に「キャッシュイン、原資」「キャッシュアウト」と入っています。
方針と実績をどう並べるかで、3通りに分かれます。
| やり方 | 得るもの | 失うもの |
|---|---|---|
| 図に方針、表に実績を置く | 当初の方針を残したまま実績が読める | 場所を半分ずつ使う |
| 図だけを置く | 配分の比率が実感できる | 年度ごとの数字が読めない |
| 表だけを置く | 正確な値が読める | 配分の比率が実感できない |
明治HDは1つ目です。ゼンリンのキャピタルアロケーションは2つ目にあたり、ページ全体を図にして、表を置きませんでした。
ゼンリンの図は中期経営計画の方針そのもので、流入300、流出300と合計がそろっています。進捗ではなく計画を示すページなので、年度ごとの実績が要りません。
明治のページは2年が過ぎた時点の見通しです。計画との差を示す必要があるので、図だけでは足りません。右に実績の表を置き、図の側は当初の方針のまま残しました。
図だけを枠で囲う
左の配分図だけが細い枠で囲まれています。右の表と箇条書きに枠はなく、罫線だけで組まれています。
両方を囲う作りもあります。
両方を囲うと、ページに箱が2つ並びます。左右が対等に見えるので、どちらが方針でどちらが実績かを読んで判断することになります。
図だけを囲えば、囲みがひとまとまりを示します。枠の中は2024年5月に公表した方針で、枠の外は今の数字です。枠の左下と右下に「キャッシュイン、原資」「キャッシュアウト」と添えられているのも、図の中だけで完結する語だからです。
数字を書き換えず記号を重ねる
営業 CF の「約3,500億円」と、戦略投資の「約3,500億円」に、赤い円の中の下向き矢印が重ねられています。営業 CF 側には「現時点の見通し」と添えられています。
数字そのものを書き換える作りもあります。
書き換えると、当初の方針が資料から消えます。読み手は2024年5月の開示と見比べたときに、いつ変わったのかが分かりません。
記号を重ねれば、元の数字が残ります。向きが下だと分かるので、どちらに動いたかも読めます。具体的な修正後の数字は、右の表の営業 CF 合計2,285億円で確かめられます。図は方針、表は実数という分担が保たれています。
段の高さを金額に合わせる
キャッシュインの3段は、自己資金・営業CF 約3,500億円・資産圧縮800億円以上で、営業 CF の段がいちばん厚くなっています。キャッシュアウト側も、戦略投資 約3,500億円の段が株主還元1,200億円以上の段より厚い作りです。
段の高さをそろえる作りもあります。
そろえると、3つの項目が同じ規模に見えます。800億円と3,500億円では4倍の開きがあり、比率が伝わりません。
高さを金額に合わせれば、図を見るだけで配分が分かります。「追加」と書かれた点線の段だけは金額が決まっていないので、細く置かれています。
資金配分のページでは、示したいのが計画か進捗かを先に決めてください。
計画なら図だけで足ります。進捗なら、図の横に年度ごとの表を置いてください。図で比率を、表で実数を受け持たせます。
当初の方針から数字が動いたときは、書き換えずに記号を重ねます。円の中に矢印を入れるだけで、向きまで伝わります。書き換えると、過去の開示と見比べたときに、いつ変わったのかが分かりません。
図と表を並べるなら、囲むのは図だけにしてください。両方を囲うと、どちらが前提でどちらが実績か分かりません。
積み上げの段は、高さを金額に合わせます。そろえると、4倍の開きがある項目も同じ規模に見えます。金額の決まっていない段は、細くしたうえで線種を変えてください。
連結営業利益の増減分析
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# 参考にするスライド 明治ホールディングス株式会社「2025年度 決算説明資料」31ページ目「連結営業利益の増減分析」 https://slidezukan.com/docs/meiji-2025fy/#p31 # 分類 資料の種類:決算説明資料 スライドの内容:業績ハイライト 図版の型:ウォーターフォール 配色:赤 # 読み取った作り - 図と表を横に並べる:左に増減の棒、右にセグメント別の表を置き、行の高さを揃えています。左右のどの行も同じ要因を指すので、視線が横に流れます。 - 始点と終点だけ塗る:24年度実績をグレー、25年度実績を赤のベタ塗りにし、途中の増減は薄い面にしています。合計2本と要因5本が、塗りの濃さで分かれます。 - 注記を記号で結ぶ:*1から *3の記号を棒の脇に置き、内訳を図の下にまとめています。長い説明文を図の中に入れないので、棒の間隔が崩れません。 # 資料全体の決まり - 使用する色は6色まで - 章の切れ目に中扉を置く - 表紙の配色を以降のページへ引き継ぐ - 表紙の次は目次 # 依頼 上の作りをそのまま使って、次の内容でスライドを1枚作ってください。 内容:(ここに自分が載せたい内容を書く) 変えたいところ:(あれば書く。無ければ「なし」)
ウォーターフォールを横倒しにしたページです。行が横に並ぶので、右のセグメント別の表と高さをそろえられます。
明治ホールディングスの通期決算説明資料の31ページ目にあたります。連結営業利益が前期からどう動いたかを要因ごとに分解するページです。明治は食品と医薬品という性格の違う2事業を持っています。連結の増減を5つの要因に分けるだけでは足りません。薬価改定は医薬品だけに効き、原材料コスト増は食品だけに効くので、同じ要因でも事業によって向きが変わります。
要因5つ × セグメント3つで15の数字になります。連結の増減と合わせると、1枚に20を超える数字が載ります。
左が図、右が表で、行の高さがそろっています。
| 行 | 左(連結の増減) | 右(セグメント別) |
|---|---|---|
| 24年度実績 | グレーのベタ塗り847 | 646 / 247 / △46 |
| 売上増減 | ピンクの面 +272 | +290 / △18 / — |
| 薬価改定の影響 | 薄いグレーの面 △30 | — / △30 / — |
| 原価の変動 | 薄いグレーの面 △213 | △218 / +5 / — |
| 経費等の増減 | ピンクの面 +42 | △41 / +83 / — |
| その他 | ピンクの面 +15 | +10 / +18 / △12 |
| 25年度実績 | 赤のベタ塗り933 | 687 / 304 / △59 |
図の下に、*1から *3の注記が3段で入っています。
掲載しているウォーターフォールは4枚あり、向きで分かれました。
| やり方 | 得るもの | 失うもの |
|---|---|---|
| 図を横倒しにする | 要因名を左に横書きでそろえられる | 増減が上下ではなく左右になる |
| 縦に立てて要因名を下に置く | 増えた減ったが上下で伝わる | 要因名の長さが幅に縛られる |
| 縦に立てて途中を細い帯にする | 増減幅が小さくても描ける | 棒としての高さが出ない |
明治HDは1つ目で、4枚のうち横倒しは明治だけです。京セラとさくらインターネットは縦に立て、ゼンリンは縦のまま途中を水平の帯にしました。明治の要因名には「その他(子会社損益含む)」のように12文字を超えるものがあります。縦に立てると、棒の下に置く名前が棒の幅に収まりません。斜めにするか、2行に折ることになります。
横倒しなら、要因名は左端に横書きで縦に並びます。長さが違っても左ぞろえで収まります。
図を横倒しにする
増減の棒が横に伸び、要因が上から下へ並んでいます。基準線は左端に1本、縦に引かれています。縦に立てる作りもあります。掲載している残り3枚はすべて縦です。
横倒しにして得られたのは、右の表との行ぞろえです。「原価の変動」の行では、左に連結の △213の面があり、右に食品 △218、医薬品 +5、他 — が同じ高さで並びます。視線が横に流れるだけで、連結とセグメントの対応が取れます。
縦に立てると、表は図の下か右に置くことになります。下に置けば列が要因に対応し、右に置けば対応が付きません。行ぞろえは、横倒しにしないと作れない関係です。
失うものもあります。増えた減ったが左右の向きになるので、上下で読む習慣とは合いません。明治は面の色を増加と減少で分けて、向きが伝わらないぶんを補っています。
始点と終点だけベタ塗りにする
24年度実績がグレーのベタ塗り、25年度実績が赤のベタ塗りです。あいだの5本は、薄いピンクか薄いグレーの面になっています。
7本を同じ濃さで塗る作りもあります。
同じ濃さだと、合計2本と要因5本が対等に見えます。847と933は絶対額で、+272や △213は差分です。性格の違う数字が同じ見た目で並ぶことになります。
濃さで分ければ、2種類だと一目で分かります。あいだの5本は、増加がピンク、減少が薄いグレーと色相でも分けられています。横倒しで向きが伝わりにくいぶんを、色が受け持っています。
注記を図の外にまとめる
棒の脇に *1から *3の記号だけが置かれ、内訳は図の下に3段でまとめられています。「原材料コスト増(国内生乳、海外乳原料、カカオ原料など)△230」のような長い行です。
内訳を図の中に書く作りもあります。ゼンリンは減収の理由を、図の中の吹き出しに4行入れました。
明治の図で中に書くと、行の高さが行ごとに変わります。原価の変動の行だけ3行ぶんの高さになり、右の表の行とずれます。ページの作りを支えているのが行ぞろえなので、崩すと対応が読めなくなります。
記号で結べば、行の高さは一定のままです。ゼンリンは右に表を置いていないので、図の中に入れても崩れるものがありませんでした。注記を外に出すかどうかは、ページに行ぞろえがあるかで決まります。
ウォーターフォールを横倒しにするかは、隣に表を置くかで決めてください。
置くなら横倒しです。行の高さをそろえれば、要因と内訳が横一線で結ばれます。置かないなら縦のままで足ります。増減の向きが上下で伝わるぶん、読み手の負担が小さくなります。
要因名が10文字を超えるものを含むときも、横倒しが向きます。縦に立てると、棒の幅に収まらない名前を斜めにするか折り返すことになります。
横倒しにしたら、面の色で増減を分けてください。増加を暖色、減少を寒色か無彩色にします。左右の向きだけでは、増えたのか減ったのかが伝わりません。
合計と要因は、塗りの濃さで分けます。合計はベタ塗り、要因は薄い面です。同じ濃さだと、絶対額と差分が対等に見えます。
長い注記は図の外へ出してください。行の高さがそろっているページでは、図の中に文を入れると対応が崩れます。
自分で作るなら
52ページを支えているのは、事業ごとに色を割り当てることと、結論を毎ページ同じ位置の帯に置くことの2つです。
順番としては、まず資料の中で何度も切り替わる区分を探してください。明治ホールディングスでは事業でしたが、地域でも、ブランドでも、製品でもかまいません。区分が決まったら色を1つずつ当て、表もグラフも帯も同じ色で通します。
次にヘッダーへ区分名を入れます。色だけに頼ると、印刷して白黒になったときに読み分けが消えます。
結論の帯は最後です。方針を1行か2行で書き、枠線に区分の色を使ってください。数字は下の図表が持つので、帯には入れないほうが読みやすくなります。