何を伝えるための資料か
ゼンリンが通期の決算で公開している説明資料です。全32ページを3章と付録に分けています。
地図と位置情報を5つの事業で売っている会社なので、売上をどの事業が作ったかの説明に紙幅を割いています。事業ごとの色分けが、資料全体の骨になっています。
全体の作り
32ページのうち4ページが章扉、10ページが付録です。本編は18ページです。
章扉に章の中の目次を置く
3・9・14ページ目に章扉があり、22ページ目に付録の扉があります。どの扉にも、章名だけでなくその章に入るページの見出しが並びます。1章目なら決算概要・EBITDA と営業利益の増減・事業別売上高の増減・キャッシュフロー・配当金の5行です。
2ページ目の目次は章名の4行だけなので、細かい見出しは章に入ってから出すという分担になります。全体を4行で見せ、章の手前で5行ずつ足す組み方です。
見出しに章の中の連番を振る
本編のページは、ヘッダーが「1) 決算概要」「2) EBITDA・営業利益の増減」のように連番から始まります。番号は章ごとに振り直します。
章扉に並べた行と、その章のページのヘッダーが1対1で対応します。読み手は章扉で見た番号を追うだけで、どこまで進んだかが分かります。
事業ごとに色を決める
5つの事業に5色を割り当てています。プロダクトソリューションが緑、公共ソリューションが紫、マーケティングソリューションが黄、インフラソリューションが橙、モビリティソリューションが青です。
割り当ては資料を通して変わりません。各事業を説明する17ページ目から21ページ目でヘッダーの帯に使い、6ページ目の積み上げ棒でも同じ色で積みます。棒の色を見れば、どの事業の話かが凡例を探さずに分かります。
付録でも作りを変えない
23ページ目から32ページ目までが付録です。ヘッダーの形も、ロゴの位置も、下端の著作権表記も本編と同じです。
違うのはヘッダーが2段になることだけで、上段に「Appendix:2026年3月期 実績」、下段に「1) 売上高・利益の推移」と入ります。本編と同じ連番の付け方を、付録でもそのまま続けています。
表紙で決めていること
決算説明資料の表紙
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# 参考にするスライド 株式会社ゼンリン「2026年3月期 決算説明資料」1ページ目「決算説明資料の表紙」 https://slidezukan.com/docs/zenrin-2026q4/#p1 # 分類 資料の種類:決算説明資料 スライドの内容:表紙 図版の型:なし 配色:緑 # 読み取った作り - 帯を画面の中ほどに:波状の面を画面の上下いっぱいには敷かず、中ほどの帯として通しています。上下には白地が残るので、ロゴと社名を面の外に置けます。 - 文字は濃い部分に置く:資料名を、重なりでいちばん濃くなったティールの部分に白抜きで載せています。波の模様があっても、文字の背後だけは明度が一定です。 - 4隅の使い方:ロゴを右上、タグラインを左下、日付と社名を右下に置き、左上だけを空けています。中央の資料名と合わせて、要素が散らずに収まります。 # 資料全体の決まり - 使用する色は7色まで - 章の切れ目に中扉を置く - 表紙の配色を以降のページへ引き継ぐ - 表紙の次は目次 # 依頼 上の作りをそのまま使って、次の内容でスライドを1枚作ってください。 内容:(ここに自分が載せたい内容を書く) 変えたいところ:(あれば書く。無ければ「なし」)
波状の帯を画面の中ほどに通した表紙です。帯を上下いっぱいに敷かないことで、ロゴと社名を面の外に置けています。
ゼンリンの通期決算説明資料、1ページ目にあたります。
決算説明会の資料は2つの場面で読まれます。当日は登壇者が口頭で補いますが、同じ PDF が IR サイトに残り、以後は説明する人なしで読まれます。
ゼンリンは地図データの会社です。事業の性格が名前から伝わりにくいので、表紙で何らかの印象を残したいという事情があります。写真素材で地図を見せる手もありますが、地図そのものは権利の扱いが複雑になります。
6つです。
| 要素 | 置き場所 |
|---|---|
| 社名ロゴ(英字) | 右上、白地の中 |
| 波状の帯 | 画面の中ほど。ティールとグレーが重なる |
| 資料名 | 帯の中央、白抜き |
| タグライン | 左下、白地の中 |
| 日付 | 右下、白地の中 |
| 社名(日本語) | 右下、白地の中 |
帯は画面の左右いっぱいに伸びていますが、上下には白地が残っています。
掲載している表紙8枚は、作り方が4通りに分かれました。
| 型 | 例 | 得るもの | 失うもの |
|---|---|---|---|
| 写真を主役にする | 野村不動産 | 事業や実績そのものを見せられる | 文字を置ける場所が写真に縛られる |
| 色の面を敷く | 明治HD | 基調色が画面を占める | 面が単調になりやすい |
| 白地に文字だけ | 任天堂、さくらインターネット、エン・ジャパン | 手間が最小で、資料名に視線が集まる | 要素が多いと雑然とする |
| 白地に図形を足す | 京セラ、ゼンリン、アイスタイル | 写真素材がなくても表情が出る | 文字と図形の干渉を設計する必要がある |
ゼンリンは4つ目です。
同じ型の京セラと比べると違いがはっきりします。京セラは直線2本で画面を斜めに割りました。ゼンリンは曲線の帯を重ねています。直線は角度を1種類に固定しやすく、曲線は重なりで濃淡を作れます。
帯は上下いっぱいに敷かない
波状の帯は、画面の上端からも下端からも離れた位置にあります。上と下には白地が残ります。
画面全体を覆ったらどうなるでしょうか。ロゴ・タグライン・日付・社名の4つが帯の上に乗ることになります。曲線の帯は場所によって濃淡が変わるので、文字を置く位置ごとに可読性を確かめなければなりません。上下に白地を残せば、4つはすべて白の上に置けます。
帯の中に残ったのは資料名だけです。主題でないものを面の外に出すという分け方は、京セラの表紙と同じです。割り方が斜線か曲線かが違うだけで、考え方は共通しています。
文字は濃い部分へ
資料名は、帯の中でもティールとグレーが重なっていちばん濃くなった部分に、白抜きで置かれています。
帯は左から右へ濃度が変わります。薄い部分に白文字を置くと読みにくくなります。濃い部分を選べば、背景に模様があっても文字の周囲だけは明度が一定になります。
文字の位置を模様に合わせたわけです。模様のほうを文字に合わせて描き直す手もありますが、そうすると帯の形が文字に縛られます。
左上を空ける
ロゴが右上、タグラインが左下、日付と社名が右下。左上には何もありません。
4隅すべてを埋めたらどうなるか。中央の資料名と合わせて5か所に要素が散り、視線の落ち着く先が決まりません。
1か所空けることで、左上から中央の資料名へ向かう流れができます。空白も配置のうちだという扱いです。
写真素材がなく、色の面だけでは物足りないなら、白地に図形を足す型が選べます。
直線で割るか曲線で割るかは、扱える色数で決めてください。直線なら角度を1種類に固定して色も3色までに抑えるのが無難です。曲線なら重なりで濃淡が作れるので、色数を増やさずに面に表情が出ます。
割った面は、画面の上下いっぱいに広げないでください。上下に白地を残せば、ロゴや日付といった主題でない要素をそこに置けます。面の中は資料名だけにします。
面の上に文字を置くときは、文字の位置を模様に合わせてください。濃度が変わる面では、いちばん濃い部分か薄い部分を選びます。中間の濃度に置くと、白でも黒でも読みにくくなります。
4隅は、1つ空けておくと視線の流れができます。全部埋めると、どこを見ればよいか決まりません。
数字の見せ方を決めている3枚
EBITDA・営業利益の増減
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# 参考にするスライド 株式会社ゼンリン「2026年3月期 決算説明資料」5ページ目「EBITDA・営業利益の増減」 https://slidezukan.com/docs/zenrin-2026q4/#p5 # 分類 資料の種類:決算説明資料 スライドの内容:業績ハイライト 図版の型:ウォーターフォール 配色:緑 # 読み取った作り - ヘッダーは横罫1本:タイトルを左、ロゴを右に置き、下に細い横罫を1本引いただけのヘッダーです。罫にティールのグラデーションを乗せて、無彩色にしていません。 - 結論を図の上に橋渡し:「EBITDA 4億円 減」の帯を図の上に置き、始点と終点の棒から角ばった線で結んでいます。どの2本を比べた数字かが、線の両端で分かります。 - 括りを図の下に敷く:増減要因の下に「売上高」「営業費用」の帯を置き、どの棒がどちらに属するかを示しています。棒そのものには括りの文字を足していません。 # 資料全体の決まり - 使用する色は7色まで - 章の切れ目に中扉を置く - 表紙の配色を以降のページへ引き継ぐ - 表紙の次は目次 # 依頼 上の作りをそのまま使って、次の内容でスライドを1枚作ってください。 内容:(ここに自分が載せたい内容を書く) 変えたいところ:(あれば書く。無ければ「なし」)
EBITDA から営業利益までを1枚で追うページです。結論の帯を図の上に橋渡しして、どの2本を比べた数字か示しています。
ゼンリンの通期決算説明資料、5ページ目にあたります。EBITDA と営業利益が前期からどう動いたかを、要因ごとに分解するページです。
難しさが2つあります。ひとつは、EBITDA と営業利益という関連する2つの指標を同時に扱うこと。もうひとつは、増減の幅が小さいことです。95から91への4億円の変化を、要因5本に分けて見せます。
分解すると1本あたりが1億円前後になります。棒として描くと、ほとんど見えません。
ヘッダーの下は、ひとつながりの図になっています。
| 位置 | 中身 |
|---|---|
| 図の上 | 「EBITDA(前期比):4億円 減」のティールの帯 |
| 図の左 | EBITDA 25/3の棒(95) |
| 図の中央 | 5本の増減要因。細い帯として横に並ぶ |
| 図の中央下 | 吹き出し2つ(減収の説明、ベースアップの説明) |
| 図の右 | EBITDA 26/3の棒(91)、償却費、営業利益35 |
| 図の下 | 「売上高」「営業費用」の括りと、増減額 |
左端と右端の棒だけが太く、途中の5本は細い帯です。
掲載しているウォーターフォールは4枚あります。増減幅が小さいときの扱いが分かれました。
| やり方 | 例 | 扱い |
|---|---|---|
| 縦軸を切る | 京セラ | 合計の棒の下端を波線で切る |
| 途中を細い帯にする | ゼンリン | 増減要因を棒ではなく水平の帯で描く |
| 本数を増やして分解する | さくらインターネット | 要因を11本に分けて差を作る |
ゼンリンは2つ目です。95と91という近い値なので、縦軸を切っても差が大きくなりません。途中の要因を棒として立ち上げず、水平の細い帯にしました。帯にすれば、値の小ささが問題になりません。位置の上下だけが増減の向きを示します。
結論の帯を図の上に渡す
「EBITDA(前期比):4億円 減」のティールの帯が図の上にあり、左端の棒と右端の棒から角ばった線で結ばれています。
帯を図の外、ヘッダーの下に置く作りもあります。さくらインターネットはそうしています。外に置くと、結論がページ全体にかかる話に見えます。ゼンリンのページには EBITDA と営業利益の2つの結論があるので、どちらの話か分からなくなります。
図の上に置いて両端の棒と線で結べば、どの2本を比べた数字か分かります。営業利益の結論は、右側に別の帯として置かれています。
括りは図の下
図の下端に、「売上高(前期比)」「営業費用(償却費等除く)(前期比)」の帯が2本あります。5本の要因が、どちらに属するかを示すものです。棒の上に書く方法もあります。ただ帯の上にはすでに要因名が置かれていて、吹き出しも2つあります。括りまで足すと、上側の文字が3段になります。
下に敷けば、帯の幅がそのまま範囲を示します。「0億円 減」「3億円 増」と群ごとの小計まで添えられているので、5本を2つにまとめた数字も読めます。
説明文をどこに置くか
減収の理由が、図の中央下に枠付きの吹き出しとして4行入っています。「公共ソリューション事業で住宅地図データの提供や上期の受託案件が増加したものの…」と、かなりの文字数です。
ページの外へ出す方法もあります。京セラは増減の理由を図の上の箇条書きに置きました。
ゼンリンは図の中に残しました。5本の要因のうち、説明が要るのは2本だけだからです。全部に説明を付けるなら箇条書きにまとめたほうが整いますが、2本だけなら該当する帯の近くに置くほうが対応が分かります。
吹き出しの枠を細い線にして、色も薄くしています。文字数が多いぶん、枠まで濃いと図の中で目立ちすぎます。
ウォーターフォールで増減の幅が小さいときは、途中の要因を棒として立ち上げないことを検討してください。
水平の細い帯にすれば、値の小ささが見た目に影響しません。上下の位置だけで増減の向きが伝わります。合計の2本だけを太い棒にすれば、始点と終点も区別できます。
結論の数字を書くなら、置き場所で意味が変わります。ページに結論が1つなら図の外に、2つ以上あるなら図の上に置いて該当する棒と線で結んでください。
要因を群にまとめるなら、括りは図の下に敷きます。群ごとの小計も一緒に書けば、5本を2つに縮めた数字が読めます。
説明文は、必要な要因が2〜3本なら該当箇所の近くに、全部に必要なら図の外の箇条書きにまとめてください。判断の基準は、説明の要る本数です。
事業別売上高の増減
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# 参考にするスライド 株式会社ゼンリン「2026年3月期 決算説明資料」6ページ目「事業別売上高の増減」 https://slidezukan.com/docs/zenrin-2026q4/#p6 # 分類 資料の種類:決算説明資料 スライドの内容:業績ハイライト 図版の型:積み上げ棒 配色:カラフル # 読み取った作り - 本文領域を左右で割る:左3割を積み上げ棒、右7割を表と文章に割っています。左が量、右が内訳と理由という役割分担です。 - 色を左右で共有する:左の棒の色と、右の事業名タグの色を一致させています。凡例を作らずに、どの棒がどの行かが色だけで対応します。 - 予想を点線の枠に:3本目の業績予想だけ、各段を点線の枠と薄い灰色にしています。実績2本と予想1本が、同じ軸に並んでも取り違えません。 # 資料全体の決まり - 使用する色は7色まで - 章の切れ目に中扉を置く - 表紙の配色を以降のページへ引き継ぐ - 表紙の次は目次 # 依頼 上の作りをそのまま使って、次の内容でスライドを1枚作ってください。 内容:(ここに自分が載せたい内容を書く) 変えたいところ:(あれば書く。無ければ「なし」)
積み上げ棒と表を左右に並べたページです。棒の色と事業名タグの色を一致させて、凡例を作らずに済ませています。
ゼンリンの通期決算説明資料、6ページ目にあたります。事業別の売上高が前期からどう動いたかを見せるページです。セグメント別の説明には、情報の量が多いという難しさがあります。事業が5つあり、それぞれに前期比と業績予想比の2つの増減があり、さらに増減の理由が要ります。単純に並べると5 × 3で15個の情報になります。
構成比も見せる必要があります。どの事業が全体のどれくらいを占めるかは、事業別の話をするうえで前提になります。
本文領域が左右に分かれています。
| 位置 | 中身 |
|---|---|
| 左(3割) | 積み上げ棒3本。25/3実績・26/3実績・26/3業績予想 |
| 右(7割) | 表。事業名・前期比・業績予想比・事業概況 |
| 表の見出し | ティールの帯に白抜き |
| 右下 | 参考の小表(国内自動車販売台数) |
左の棒3本のうち、3本目だけが点線の枠と薄い灰色になっています。
構成比と増減を1枚で見せる方法は、3通りに分かれます。
| やり方 | 得るもの | 失うもの |
|---|---|---|
| 積み上げ棒と表を左右に | 構成比と内訳の両方が見える | 棒が細くなり、小さい事業が読みにくい |
| 表だけを置く | 数字が正確に読める | 構成比が実感できない |
| 事業ごとにグラフを並べる | 各事業の推移が追える | 全体に占める割合が見えない |
ゼンリンは1つ目です。京セラの10ページ目は3つ目にあたり、セグメントごとに棒グラフを4つ並べました。京セラは1セグメントだけを扱うページだったので、比較軸を増やす余地がありました。ゼンリンは5事業を同時に扱うので、全体に占める割合を先に見せる必要があります。
棒と表で色をそろえる
左の積み上げ棒は事業ごとに色分けされています。右の表では、事業名が同じ色のタグに白抜きで入っています。凡例を別に置く方法もあります。棒の脇か下に、色見本と事業名を5行並べる形です。
色を共有すれば、凡例が要りません。表の行そのものが凡例の役目を果たします。読み手は棒の色を見て、同じ色のタグを表から探せます。
凡例を置くと、棒・凡例・表の3か所を往復することになります。2か所で済むほうが負荷が小さくなります。
予想は点線の枠へ
左の棒3本のうち、3本目(26/3業績予想)だけが点線の枠で囲まれ、中の色も薄い灰色に落とされています。実績の2本は塗りつぶしです。
3本とも同じ見た目にしたらどうなるでしょうか。実績と予想が同じ軸に並ぶので、3期分の実績推移に見えます。業績予想は達成されなかった数字なので、実績と混ぜるのは誤解を招きます。
点線と薄い色の2つで分けたことで、予想だと分かります。京セラの19ページ目も、確定していない数字を点線の輪郭にしていました。確定・未確定を線種で分けるのは、複数の資料に共通する扱いです。
理由を同じ行に置く
表の右端の列に、事業ごとの増減理由が箇条書きで入っています。1〜3項目、各1〜2行です。
別のページに分ける方法もあります。数字のページと理由のページを分ければ、どちらも大きく見せられます。
同じ行に置けば、数字と理由が横に並びます。「+15億円」と「消防署通信指令システムのリプレイス…」が同じ高さにあるので、対応を探す必要がありません。
行の高さは伸びますが、5行しかないので収まります。事業が10を超えると、収まらなくなるでしょう。
セグメント別のページでは、構成比を見せるかどうかを先に決めてください。
見せるなら、積み上げ棒を左に置いて表を右に並べる形が使えます。事業が3〜6つなら収まります。7つを超えると棒の各段が細くなり、小さい事業が読めなくなります。
棒と表を並べるときは、色を共有してください。事業名を色付きのタグにすれば、凡例が要りません。凡例を置くと、読み手が3か所を往復することになります。
予想や計画を実績と同じ軸に並べるなら、点線の枠か薄い色で分けてください。両方使うと確実です。同じ見た目で並べると、実績の推移として読まれます。
増減の理由を同じ表に入れるかどうかは、行数で決めます。5行までなら入ります。6行を超えるなら、理由を別のページに分けたほうが読めます。
キャピタルアロケーションの進捗
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# 参考にするスライド 株式会社ゼンリン「2026年3月期 決算説明資料」13ページ目「キャピタルアロケーションの進捗」 https://slidezukan.com/docs/zenrin-2026q4/#p13 # 分類 資料の種類:決算説明資料 スライドの内容:中期計画 図版の型:サイクル図 配色:青 # 読み取った作り - 本文領域を3列に割る:中央に資金の流れ、左右に説明の箱を置いた3列構成です。左がインフロー、右がアウトフローと、位置で向きを示しています。 - 中央に円を重ねる:流入と流出の柱の間に円を重ね、循環の矢印を添えています。左右の直線的な流れの中で、中核だけが循環していると分かります。 - 補足を淡色の箱に:左右の説明を淡いクリーム色の箱にまとめ、中央の濃い色の柱と明度で分けています。どちらが主でどちらが注釈かが、色の濃さで決まります。 # 資料全体の決まり - 使用する色は7色まで - 章の切れ目に中扉を置く - 表紙の配色を以降のページへ引き継ぐ - 表紙の次は目次 # 依頼 上の作りをそのまま使って、次の内容でスライドを1枚作ってください。 内容:(ここに自分が載せたい内容を書く) 変えたいところ:(あれば書く。無ければ「なし」)
資金の流入と流出を3列で見せるページです。中央に円を重ねて、直線の流れの中で中核だけが循環すると示しています。
ゼンリンの通期決算説明資料、13ページ目にあたります。中期経営計画における資金の使い道を示すページです。キャピタルアロケーションの説明には、扱う情報が多いという難しさがあります。入ってくる資金が何か、出ていく資金が何か、それぞれに金額と5年間の累計目標があり、さらに理由が要ります。
「入って出る」だけでは話が終わりません。出した資金が事業を通じてまた入ってくるという循環を示さないと、成長投資の意味が伝わりません。
本文領域が3列に分かれています。
| 位置 | 中身 |
|---|---|
| ヘッダー直下 | ティールの帯に結論3行 |
| 左列 | 淡いクリーム色の箱2つ。インフローの内訳 |
| 中央左 | 資金の流入を積み上げた柱(300) |
| 中央 | 円と循環の矢印「利益創出サイクル」 |
| 中央右 | 資金の流出を積み上げた柱(300) |
| 右列 | 淡いクリーム色の箱3つ。アウトフローの内訳 |
中央の2本の柱は、どちらも合計300で高さが同じです。
資金配分を見せる方法は、3通りに分かれます。
| やり方 | 得るもの | 失うもの |
|---|---|---|
| 柱2本を左右に並べる | 入りと出の合計が一致すると分かる | 循環している様子が出ない |
| 柱2本の間に循環の記号を置く | 出した資金が戻る構造まで示せる | 中央に場所を取られる |
| 表で数字を並べる | 正確な値が読める | 配分の比率が実感できない |
ゼンリンは2つ目です。さくらインターネットは同じ戦略のページで図と一覧を左右対等に並べ、循環の記号を使いませんでした。循環を示す必要があるかどうかで、中央の使い方が変わります。投資の回収を語るなら要りますし、単年の配分を示すだけなら要りません。
中央に円を重ねる
流入の柱と流出の柱の間に、円が重ねられています。中には「利益創出サイクル」と入り、円の周りを矢印が回っています。柱2本を単に並べて矢印で結ぶ方法もあります。左から右への一方向の流れです。
一方向の矢印だと、資金が出ていったきりに見えます。成長投資は回収されて次の原資になるので、片道の矢印では構造が伝わりません。
円を重ねると、直線の流れの中で中核だけが循環していると分かります。柱は左から右へ、円はその場で回る。2つの動きが同居します。
説明は淡い色の箱へ
左右の列の説明が、淡いクリーム色の箱に入っています。中央の柱はティール・青・紫と濃い色です。
説明の箱も濃い色にしたらどうなるでしょうか。柱と説明が同じ重さに見えて、どちらが主でどちらが注釈か分からなくなります。ページの情報量が多いので、全部が主張すると読む順序が決まりません。
明度で分けると、濃いほうを先に見ます。柱の金額を読んでから、必要なら横の箱を読む。順序が色だけで決まります。
2つ目の数字は括弧で
各項目に「(5年間累計指標:720)」のような数字が括弧で添えられています。本体の数字より一段小さく入っています。
別の列を作る方法もあります。「今期」「5年累計」の2列にして、数字を並べる形です。
列を増やすと、柱の中に表が入ることになります。柱は金額の大きさを高さで示す図なので、表が入ると図としての役目がなくなります。
括弧で添えれば、柱の形を保ったまま2つ目の数字が入ります。小さく書くことで、どちらが本体かも分かります。
資金配分のページでは、循環を示す必要があるかを先に決めてください。
単年の配分を示すだけなら、柱2本を並べるだけで足ります。投資が回収されて次の原資になる構造まで示したいなら、中央に円と循環の矢印を置いてください。中央が埋まるので、柱は左右に寄せることになります。
流入と流出の柱は、高さを揃えてください。合計が一致することが図で分かります。内訳の段ごとに色を変えれば、どの用途がどれだけかも読めます。
説明の箱は、柱より薄い色にしてください。明度の差だけで、主と注釈が分かれます。同じ濃さにすると、読む順序が決まりません。
2つ目の数字(累計目標や前年実績)を入れたいときは、列を増やさず括弧で添えてください。列を増やすと、図が表に変わります。
付録の1枚
四半期売上高構成比率の推移
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# 参考にするスライド 株式会社ゼンリン「2026年3月期 決算説明資料」24ページ目「四半期売上高構成比率の推移」 https://slidezukan.com/docs/zenrin-2026q4/#p24 # 分類 資料の種類:決算説明資料 スライドの内容:業績ハイライト 図版の型:積み上げ棒 配色:緑 # 読み取った作り - ヘッダーを2段にする:上段に「Appendix:2026年3月期 実績」、下段にページの題という2段のヘッダーです。付録であることが、本文を読む前に分かります。 - 結論を面に載せる:グラフの上に薄いティールの面を敷き、結論を1行置いています。囲み線を引かず、面の色だけで本文と分けています。 - 当期だけ枠で囲う:5行のうち当期の行ラベルだけを細い枠で囲っています。帯の色は5行とも同じなので、比較の基準がラベル側で示されます。 # 資料全体の決まり - 使用する色は7色まで - 章の切れ目に中扉を置く - 表紙の配色を以降のページへ引き継ぐ - 表紙の次は目次 # 依頼 上の作りをそのまま使って、次の内容でスライドを1枚作ってください。 内容:(ここに自分が載せたい内容を書く) 変えたいところ:(あれば書く。無ければ「なし」)
5期分の構成比を横棒で並べた付録のページです。帯の色を揃えたまま、当期の行ラベルだけを枠で囲っています。
ゼンリンの通期決算説明資料、24ページ目にあたります。付録に置かれた、四半期ごとの売上構成比の推移を示すページです。季節変動の説明には固有の事情があります。単年の数字を見せても「たまたまそうだった」のか「毎年そうなる」のかが分かりません。複数年を並べて、同じ傾向が繰り返されると示す必要があります。
本編に置くほどの話ではありません。知りたい人だけが見ればよい種類の情報です。
上から3段です。
| 部品 | 中身 |
|---|---|
| ヘッダー上段 | 「Appendix:2026年3月期 実績」 |
| ヘッダー下段 | 「2)四半期売上高構成比率の推移」 |
| 結論 | 薄いティールの面に1行 |
| グラフ | 100%積み上げの横棒5本。上が当期、下ほど過去 |
凡例はグラフの上に横1行で置かれています。
最上段(2026年3月期)の行ラベルだけが、細い枠で囲まれています。
付録であることを示す方法は、3通りに分かれます。
| やり方 | 得るもの | 失うもの |
|---|---|---|
| ヘッダーを2段にする | 本編と同じ枠のまま、位置が分かる | ヘッダーが縦に伸びる |
| 目次で【ご参考】と括る | 冒頭で全体の構成が分かる | 個別のページでは分からない |
| 何も示さない | ページが最も静か | 本編との区別が付かない |
ゼンリンは1つ目です。京セラの目次は2つ目にあたり、3行のうち3行目を【ご参考】と括って付録だと示しました。
目次で括るやり方は、目次を読んだ人にしか伝わりません。PDF を途中から開いた読み手には分かりません。ヘッダーに書けば、どのページから読んでも分かります。
ヘッダーを2段にする
上段に「Appendix:2026年3月期 実績」、下段にページの題。2段のヘッダーです。
1段にまとめる方法もあります。「【参考】四半期売上高構成比率の推移」と1行にする形です。
1行にすると、付録であることとページの題が同じ重さで並びます。読み手は題のほうを読みたいので、先頭に付いた括弧を読み飛ばすことになります。
2段に分けると、上段が小さく薄い文字、下段が大きく濃い文字になります。付録であることは背景情報として置かれ、題が主役のまま残ります。
色は5行とも同じ
5行の横棒は、どれも同じ4色(1Q〜4Q)で塗られています。当期の行だけ色を変えるようなことはしていません。
当期を濃くする方法もあります。さくらインターネットは13本の棒のうち2本だけを青にしました。
ページの目的は、当期を目立たせることではありません。5期を通じて同じ傾向が続いていると示すことです。当期だけ色を変えると、当期が特別に見えて、傾向の話が弱まります。
5行を同じ色に揃えることで、4Q の帯がどの年も同じくらい長いと分かります。
囲うのはラベルだけ
色は揃えたまま、左端の「2026年3月期」というラベルだけが細い枠で囲まれています。
色を変えずに当期を示す必要がありました。帯に手を入れると傾向の比較が弱まるので、外側のラベルを囲んだと読めます。
枠は細く、色もティールの薄い線です。太い枠や塗りつぶしにすると、ラベルが帯より目立ちます。当期がどれかを示すだけなので、最小限に留めています。
付録のページであることを示すなら、ヘッダーを2段にしてください。
上段に「Appendix」や「ご参考」を小さく薄い文字で、下段にページの題を通常どおり。1行にまとめると、題の先頭に付いた括弧が読み飛ばされます。
複数年の傾向を示すグラフでは、当期の色を変えないでください。当期だけ濃くすると、傾向の話が「今年はこうだった」という話に変わります。5期を同じ色で並べれば、繰り返されていることが形で分かります。
当期がどれかを示したいときは、グラフの外にあるラベルを囲んでください。帯や棒に手を入れると、比較のための条件が崩れます。
囲む線は細くしてください。色を変えずに済ませたのに、枠が太いとラベルのほうが目立ちます。示すだけなら最小限で足ります。
自分で作るなら
32ページを支えているのは、章扉に章の中の目次を置くことと、事業ごとの色を最後まで変えないことの2つです。
順番としては、まず章を3つか4つに決めて、章ごとに入るページの見出しを書き出してください。書き出した行がそのまま章扉になり、各ページのヘッダーになります。次に、資料の中で何度も出てくる区分に色を割り当てます。事業でも、地域でも、製品でもかまいません。割り当てたら、グラフでも帯でもタグでも同じ色を使います。
付録は本編の型をそのまま使い、ヘッダーを2段にして上段に「Appendix」と入れるだけで足ります。