何を伝えるための資料か
アイスタイルが四半期ごとに公開している決算説明資料です。全48ページを3章と参考資料に分けています。
@cosme を軸に、メディア・EC・店舗・グローバルと事業が枝分かれしている会社です。どの数字がどのセグメントの話かを見失わせない仕掛けに、資料の作りが寄っています。
全体の作り
48ページのうち3ページが章扉、26ページが参考資料です。本編は19ページしかありません。
セグメントのタグをヘッダーに置く
本編のページは、ヘッダーの左端に色の付いた丸とセグメント名のタグが付きます。連結が緑、リテールがピンク、EC が青、グローバルが紫という割り当てです。
タグの色は、そのページのグラフで使う色とも合わせてあります。9ページ目から13ページ目まで同じ「セグメント別売上高/四半期別推移」という見出しが5回続きますが、タグの色が違うので取り違えません。
下端にトピックスの欄を固定する
業績のページには、下端に「トピックス」と書かれた欄があります。グラフでは説明しきれない事情を、数行の文章で置く場所です。
欄の位置と高さはページが変わっても同じです。図表を読んでから欄へ下りるという順番が、業績のページすべてで繰り返されます。数字と、数字の理由を、画面の上下で分けた作りになります。
章扉を線と丸だけで作る
章扉は白地に緑の横線を1本引き、線の左端に丸を置き、線の上へ章名を右寄せで載せただけです。面も写真もありません。
本編のヘッダーにも同じ緑の細い罫線が入るので、章扉は本編の罫線を太く長くしたものとして読めます。別のデザインを持ち込まずに区切りを作っています。
参考資料に会社紹介を入れる
23ページ目からの参考資料には、会社概要・主要関係会社一覧・沿革・受賞履歴が入ります。決算の数字ではなく、会社そのものの説明です。
四半期の決算資料を初めて開いた読み手が、会社を知らないまま数字だけ読むことにならないようにする置き方です。本編を短く保ったまま、前提の説明を後ろへ回しています。
読み始めの2枚
決算説明資料の表紙
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# 参考にするスライド 株式会社アイスタイル「2026年6月期 第1四半期 決算説明資料」1ページ目「決算説明資料の表紙」 https://slidezukan.com/docs/istyle-2026q1/#p1 # 分類 資料の種類:決算説明資料 スライドの内容:表紙 図版の型:なし 配色:緑 # 読み取った作り - 対角に振り分ける:資料名を左下、装飾を右上、ロゴと日付を右下に置いています。文字と装飾がぶつからないので、どちらも切り詰めずに済みます。 - 装飾を隅に寄せる:ブランドの図形を右上の角から三角形に広がる形で散らし、画面の左半分は白のまま残しています。装飾が主題の場所を奪いません。 - 文字色を基調色に:資料名を黒でなく基調の緑にし、ロゴと日付だけ灰色に落としています。有彩色を1つに絞ったまま、階層が付きます。 # 資料全体の決まり - 使用する色は6色まで - 章の切れ目に中扉を置く - 表紙の配色を以降のページへ引き継ぐ - 表紙の次はその他 # 依頼 上の作りをそのまま使って、次の内容でスライドを1枚作ってください。 内容:(ここに自分が載せたい内容を書く) 変えたいところ:(あれば書く。無ければ「なし」)
白地の右上だけに図形を散らした表紙です。文字と装飾が重ならないので、どちらも切り詰めずに済んでいます。
アイスタイルの四半期決算説明資料の1ページ目にあたります。
アイスタイルは @cosme を運営する会社です。化粧品の口コミサイト・EC・実店舗を持っていて、事業の性格を写真1枚では示しにくい構成になっています。
表紙には、ブランドの色を出しつつ資料名を読ませるという役目があります。資料名は「2026年6月期第1四半期 決算説明資料」と2行ぶんの長さがあり、ロゴ・日付・社名・証券コードも入ります。
4つです。
| 要素 | 置き場所 |
|---|---|
| 資料名2行 | 左、やや下。緑の文字 |
| 図形の集まり | 右上の角から三角形に広がる |
| istyle のロゴ | 右下。グレー |
| 日付・社名・証券コード | ロゴの下に3行。グレー、小さめ |
画面の左半分は白のままです。黒い文字は1つもありません。
掲載している表紙8枚は、作り方が4通りに分かれました。
| 型 | 例 | 得るもの | 失うもの |
|---|---|---|---|
| 写真を主役にする | 野村不動産 | 事業や実績そのものを見せられる | 文字を置ける場所が写真に縛られる |
| 色の面を敷く | 明治HD | 基調色が画面を占める | 面が単調になりやすい |
| 白地に文字だけ | 任天堂、さくらインターネット、エン・ジャパン | 手間が最小で、資料名に視線が集まる | 要素が多いと雑然とする |
| 白地に図形を足す | アイスタイル、京セラ、ゼンリン | 写真素材がなくても表情が出る | 文字と図形の干渉を設計する必要がある |
アイスタイルは4つ目です。
同じ型の京セラとゼンリンは、図形を画面の中ほどに置きました。京セラは直線2本で面を斜めに割り、ゼンリンは波状の帯を横に通しています。どちらも、面の上に資料名が乗ります。
アイスタイルの図形は右上の隅にあり、文字とは離れています。面の上に文字を置かない作りなので、白抜きにするか黒のままにするかという判断も起きません。
装飾を隅に寄せる
図形の集まりは右上の角から始まり、左下に向かって細くなりながら画面の中ほどで終わります。資料名は左、装飾の届かない位置です。
装飾を画面の中央に広げる作りもあります。
中央に広げると、資料名が図形の上に乗ります。図形は輪郭だけの緑なので、文字が重なると線と線が交差します。文字を白抜きにしても、輪郭線が文字を横切ります。図形の側に白い縁を付けるか、文字の位置を図形の隙間に合わせるか、どちらかの作業が発生します。
隅に寄せれば、干渉そのものが起きません。京セラとゼンリンは面の上に文字を置いたので、濃度と文字色を合わせる作業が要りました。アイスタイルは作業を作らない側を選んでいます。
図形の大きさを変える
右上の角にあるのがいちばん大きく、左下へ向かうほど小さくなります。最後は小さな円1つで終わります。濃い緑の輪郭と、薄い緑の輪郭が混ざっています。
全部を同じ大きさで散らす作りもあります。
同じ大きさだと、均一な模様になります。散らばりに向きがないので、右上の一角が塗り分けられただけに見えます。
大きさを段階的に変えると、右上から左下への向きが出ます。視線が図形をたどって画面の中ほどまで降り、資料名の位置に届きます。左半分が白のままでも、空白として放置されていません。
有彩色を1つに絞る
資料名は黒ではなく緑です。ロゴと日付と社名はグレーで、黒い文字は使われていません。
資料名を黒にする作りもあります。
黒にすると、色が付いているのは図形だけになります。装飾がいちばん色の濃い要素になり、資料名は無彩色の文字として図形の隣に置かれます。
資料名も緑にすれば、色の付いたもの同士が対応します。グレーに落としたロゴと日付は、色の有無だけで従の位置に下がります。有彩色は緑1つのままで、3段の階層が付いています。
白地に図形を足す表紙では、図形を文字の下に敷くか、離して置くかを先に決めてください。
下に敷くと面が広く使えますが、文字色と濃度を合わせる作業が要ります。図形が輪郭線でできているなら、離して置くほうが簡単です。線は文字と交差すると、どちらも読みにくくなります。
離して置くなら、隅から対角に向かって広がる形にします。大きさを段階的に変えれば、視線が図形から文字へ移ります。同じ大きさで散らすと、模様として止まります。
資料名の色は、装飾と同じ色にそろえてください。黒のままだと、いちばん色の濃いものが装飾になります。
ロゴや日付は無彩色に落とします。色の有無だけで階層が付くので、大きさを大きく変える必要がなくなります。
事業セグメントの構造
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# 参考にするスライド 株式会社アイスタイル「2026年6月期 第1四半期 決算説明資料」2ページ目「事業セグメントの構造」 https://slidezukan.com/docs/istyle-2026q1/#p2 # 分類 資料の種類:決算説明資料 スライドの内容:ビジネスモデル 図版の型:ベン図 配色:カラフル # 読み取った作り - ヘッダーは横罫1本:タイトルの下に緑の横罫を1本引いただけで、帯も背景色もありません。全ページ共通の作りで、ページの題だけが差し替わります。 - 領域を入れ子にする:国内の枠の中に3つの円を置き、海外の枠を右下にずらして重ねています。事業の所属が、枠の包含関係だけで読めます。 - ラベルを枠の縁に:セグメント名のラベルを各枠の縁にまたがせて置いています。枠の中に入れないので、図の内側が空きます。 # 資料全体の決まり - 使用する色は6色まで - 章の切れ目に中扉を置く - 表紙の配色を以降のページへ引き継ぐ - 表紙の次はその他 # 依頼 上の作りをそのまま使って、次の内容でスライドを1枚作ってください。 内容:(ここに自分が載せたい内容を書く) 変えたいところ:(あれば書く。無ければ「なし」)
事業セグメントを枠の入れ子で示したページです。ラベルを枠の縁にまたがせることで、図の内側を空けています。
アイスタイルの四半期決算説明資料の2ページ目にあたります。事業セグメントの構造を示す参考ページです。
アイスタイルのセグメントは、マーケティング支援・リテール・グローバル・その他の4つです。一方で、実際に動いているサービスはメディア・EC・店舗の3つで、区切り方が一致しません。
メディアはマーケティング支援の商材でもあり、リテールの入り口でもあります。1つのサービスが2つのセグメントにまたがる状態を、表では書けません。
大きな枠2つと、独立した箱1つでできています。
| 位置 | 中身 |
|---|---|
| ヘッダー | 「【参考】事業セグメントの構造」。下に緑の横罫1本 |
| 左の大枠 | 「国内」。上半分がピンク、下半分が青灰 |
| 大枠の中央 | 緑の円3つ(メディア・EC・店舗)と、中心の DB |
| 右下の大枠 | 「海外」。紫。国内の枠の裏に回って重なる |
| 右上の箱 | 「その他」。黄色の枠。図の外 |
| ラベル | 枠の縁にまたがる角丸のタグ5つ |
円と円のあいだには、中心の DB と結ぶ双方向の矢印が3本あります。
事業の所属を示す方法は、3通りに分かれます。
| やり方 | 得るもの | 失うもの |
|---|---|---|
| 枠の入れ子にする | 複数のセグメントにまたがるものを置ける | 枠が重なると境界が複雑になる |
| 中心から放射状に結ぶ | 何を共有しているかが分かる | 所属や区分は示せない |
| 列に分けて並べる | セグメントの数だけ横に伸ばせる | またがるものを置けない |
アイスタイルは1つ目です。
同じ資料の27ページ目は2つ目にあたり、同じメディア・EC・店舗の3つを、中心のデータベースと矢印で結んだ図にしました。同じ会社が同じ3サービスを2通りに描き分けています。
描き分けの理由は、示したいことの違いです。2ページ目はセグメントの区分を示すページなので、どの事業がどの区分に入るかが要ります。27ページ目はつながりを示すページで、区分は要りません。区分を示すには面の包含が、つながりを示すには矢印が向いています。
ラベルを枠の縁にまたがせる
「国内」「海外」「マーケティング支援」「リテール」「グローバル」の5つのラベルが、枠の境界線の上に乗っています。半分が内側、半分が外側という位置です。
ラベルを枠の内側に置く作りもあります。
内側に置くと、図の中の場所を取ります。国内の枠の中には3つの円と DB と矢印があり、さらにピンクと青灰の2つの面が重なっています。ラベルを入れる余白が残っていません。
縁にまたがせれば、どの枠のラベルかは接している位置で決まります。図の内側は図形だけになり、外側にはラベルに続く箇条書きが置けます。
海外の枠を裏に回して重ねる
「海外」の紫の枠が、国内の枠の右下にずれた位置にあります。重なった部分は国内の枠の裏に回り、右下の角が切り欠きになっています。
2つの枠を離して並べる作りもあります。
離すと、国内と海外が別々の図に見えます。海外で扱っているのは EC・卸売・店舗・メディアで、国内と同じ顔ぶれです。別の図にすると、同じ機能が2回説明されることになります。
重ねれば、1つの図の中の2つの面になります。前後の関係も付くので、国内が主、海外が従だと位置で分かります。
「その他」だけ図の外に出す
右上に、黄色い枠の独立した箱があります。人材派遣・BtoC 課金サービス・投資育成が入っています。
図の中に入れる作りもあります。
入れようとすると、置く場所が決まりません。人材派遣は国内でも海外でもなく、メディアでも EC でも店舗でもありません。無理に枠の中へ入れると、枠が何を意味するのかが崩れます。
外に出せば、図の規則に当てはまらない項目だと分かります。枠の色も国内・海外と違う黄色で、図の一部ではないと色でも示しています。
事業構成図を描くなら、示したいのが所属かつながりかを先に決めてください。
所属なら枠の入れ子、つながりなら中心からの矢印です。両方を1枚に入れると、面と矢印が交差して読めなくなります。
枠の入れ子を使うなら、ラベルは縁にまたがせます。内側に入れると図の場所を取り、外側に離すとどの枠のラベルか分からなくなります。
同じ機能が別の地域や区分で繰り返されるなら、枠を離さず重ねてください。離すと、同じ説明を2回することになります。
どの枠にも当てはまらない項目は、図の外へ出します。色も図の中と変えてください。無理に入れると、枠の意味そのものが崩れます。
数字を見せる2枚
セグメント別売上高の四半期推移
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# 参考にするスライド 株式会社アイスタイル「2026年6月期 第1四半期 決算説明資料」9ページ目「セグメント別売上高の四半期推移」 https://slidezukan.com/docs/istyle-2026q1/#p9 # 分類 資料の種類:決算説明資料 スライドの内容:業績ハイライト 図版の型:積み上げ棒 配色:水色 # 読み取った作り - 結論をグレーの帯に:ヘッダーの下に薄いグレーの帯を敷き、結論を1行置いています。本文領域とは色で分かれるので、罫線が要りません。 - 上下で指標を分ける:上に利益率の折れ線、下に売上高の積み上げ棒を、同じ横軸に沿って重ねています。縦に目を落とせば、同じ四半期の話が読めます。 - 比較対象を点線で囲う:前年同期と当期の2本だけを点線の枠で囲い、間に前年同期比を渡しています。5本並んでいても、どの2本の話かが図形で指定されます。 # 資料全体の決まり - 使用する色は6色まで - 章の切れ目に中扉を置く - 表紙の配色を以降のページへ引き継ぐ - 表紙の次はその他 # 依頼 上の作りをそのまま使って、次の内容でスライドを1枚作ってください。 内容:(ここに自分が載せたい内容を書く) 変えたいところ:(あれば書く。無ければ「なし」)
利益率の折れ線と売上高の積み上げ棒を上下に重ねたページです。比べる2本を点線の枠で囲い、色を変えずに指定しています。
アイスタイルの四半期決算説明資料の9ページ目にあたります。セグメント別の売上高を四半期ごとに並べたページです。
セグメントが4つあり、四半期が5本並びます。構成比の推移、セグメントごとの前年同期比、全体の前年同期比、そして利益率まで載せると、1枚に入る情報は30個を超えます。
売上高は4段の積み上げになります。段のうち2つ(グローバルとその他)は全体の1割に満たず、棒の中では細い帯にしかなりません。
ヘッダーの下が、結論・折れ線・積み上げ棒の3段です。
| 位置 | 中身 |
|---|---|
| ヘッダー | 題。下に緑の横罫1本 |
| 結論 | 薄いグレーの帯に1行 |
| 上段 | 連結営業利益率の折れ線。値は点の上 |
| 下段 | 売上高の積み上げ棒5本。凡例は左に縦4行 |
| 枠 | FY25/1Q と FY26/1Q を点線で囲い、あいだに前年同期比 |
| 右端 | セグメント別の前年同期比4つ。引き出し線で段と結ぶ |
積み上げの段どうしは、細い白い線で前後の棒とつながっています。
セグメント別の増減をどこに書くかで、3通りに分かれます。
| やり方 | 得るもの | 失うもの |
|---|---|---|
| 棒の右に増減率を引き出す | 段と数字が同じ高さで結ばれる | 増減の理由は書けない |
| 棒の横に表を並べる | 理由まで同じ行に書ける | 棒が細くなる |
| 棒の中に増減率を入れる | 場所を取らない | 細い段には入らない |
アイスタイルは1つ目です。ゼンリンの事業別売上高は2つ目にあたり、左3割に積み上げ棒、右7割に表を置きました。
ゼンリンの表には、事業ごとの増減理由が1〜3項目ずつ入っています。棒はページの3割しか占めていません。アイスタイルは棒を大きく取り、右端には数字だけを引き出しました。
分けているのは、扱う四半期の数です。ゼンリンは3本の棒で足りるので、残りを表に使えます。アイスタイルは5本並べたうえに利益率の折れ線も載せるため、表を置く幅が残りません。
指標を上下に重ねる
上段に連結営業利益率の折れ線、下段に売上高の積み上げ棒が、同じ横軸に沿って置かれています。
1枚のグラフに重ねる作りもあります。積み上げ棒の上に折れ線を引く複合グラフです。
重ねると、折れ線が段の境と交差します。積み上げ棒は段の境目を読ませる図なので、線が横切ると境目が追えなくなります。利益率は4.1%から5.6%の範囲で、売上高とは桁も単位も違うため、右側にもう1本の縦軸も要ります。
上下に分ければ交差しません。横軸を共有しているので、縦に目を落とせば同じ四半期の話が読めます。2枚のページに分ける手もありますが、そうするとページをまたいで見比べることになります。
比べる2本を点線で囲う
FY25/1Q と FY26/1Q の2本だけが点線の枠で囲われ、あいだに「前年同期比 +22.6%」の旗が渡されています。
色を変えて示す作りもあります。エン・ジャパンは前年同期を水色、当期を紺にしました。
積み上げ棒では、棒全体の色を変えられません。段の色はセグメントを表すので、棒ごとに変えると凡例と合わなくなります。アイスタイルは当期の棒だけ、同じ色相のまま濃度を上げています。濃度の差は段ごとに出るので、棒1本としてのまとまりは弱くなります。
点線の枠なら、色に触れずに2本を指定できます。枠は棒の外側を通るので、段の境にもかかりません。
段を白い線で結ぶ
5本の棒の同じ段どうしが、細い白い線で結ばれています。
結ばない作りもあります。
結ばないと、段の厚みが増えているのか減っているのかを、5本を見比べて判断することになります。積み上げ棒では段の下端の位置が毎回ずれるので、厚みの比較は見た目では難しくなります。
線で結べば、境目の傾きだけで増減が読めます。リテールの段は上に向かって開き、グローバルとその他の段はほぼ水平です。
セグメント別の推移を積み上げ棒で見せるなら、棒の本数を先に決めてください。
3本までなら、横に表を並べて増減の理由も書けます。5本以上なら表の幅が残らないので、増減率だけを右端に引き出してください。引き出し線で段と結べば、どの段の数字かが決まります。
2つ目の指標を足したいときは、重ねずに上下に並べます。横軸を共有すれば、縦に目を落とすだけで対応が取れます。積み上げ棒の上に折れ線を引くと、段の境と交差します。
比べる2本を指定するなら、積み上げ棒では色ではなく枠を使ってください。段の色はセグメントに割り当てられているので、棒単位で変えられません。
段の増減を読ませたいなら、棒と棒のあいだを細い線で結びます。白い線なら、段の色を邪魔しません。
@cosme の会員数の推移
このスライドの作りをプロンプトにする
# 参考にするスライド 株式会社アイスタイル「2026年6月期 第1四半期 決算説明資料」19ページ目「@cosme の会員数の推移」 https://slidezukan.com/docs/istyle-2026q1/#p19 # 分類 資料の種類:決算説明資料 スライドの内容:業績ハイライト 図版の型:棒グラフ 配色:モノトーン # 読み取った作り - ヘッダーに種別を足す:タイトルの左に「KPI」の小さな緑の面と円の記号を置いています。ページの題だけでなく、指標のページだと分かります。 - 棒を1本だけ緑に:24か月分をすべて同じグレーにし、最新の1本だけ緑にしています。始点と終点にだけ数値を添え、途中の22本には何も置いていません。 - 目盛りを引かない:縦軸の目盛りも横罫も引かず、棒の並びだけで推移を見せています。数字が2か所にしかないので、軸との往復が起きません。 # 資料全体の決まり - 使用する色は6色まで - 章の切れ目に中扉を置く - 表紙の配色を以降のページへ引き継ぐ - 表紙の次はその他 # 依頼 上の作りをそのまま使って、次の内容でスライドを1枚作ってください。 内容:(ここに自分が載せたい内容を書く) 変えたいところ:(あれば書く。無ければ「なし」)
24か月分の棒を並べた KPI のページです。数字を両端の2か所だけに置き、目盛りも横罫も引いていません。
アイスタイルの四半期決算説明資料の19ページ目にあたります。@cosme の会員数の推移を示すページです。
会員数のような積み上がる指標には、月ごとの増分が小さいという性質があります。890万人から1,080万人まで2年かけて増えていますが、1か月あたりでは8万人ほどです。棒の高さの差は1%に満たず、隣どうしを比べても違いが見えません。
読み手に読ませたいのは、月ごとの増分ではありません。2年で190万人増えたという到達点です。
ヘッダーの下は、結論とグラフだけです。
| 位置 | 中身 |
|---|---|
| ヘッダー左 | 緑の「KPI」タグと円の記号 |
| ヘッダー | 「@cosmeの会員数※の推移」。下に緑の横罫1本 |
| 結論 | 薄いグレーの帯に1行 |
| グラフ | 棒24本。23/10から25/9まで |
| 数値 | 左端の上に890万人、右端の上に1,080万人 |
| 脚注 | 会員数の定義。左下に小さく |
縦軸の目盛りも横罫もありません。24/9と24/10のあいだに、縦の点線が1本だけ入っています。
長い系列で伸びを見せる方法は、3通りに分かれます。
| やり方 | 得るもの | 失うもの |
|---|---|---|
| 両端だけに数値を置く | 始点と終点の差が引き算1回で出る | 途中の値は読めない |
| 縦軸を切って差を作る | 全期間の形が残る | 軸が連続していない断りが要る |
| 全部に数値を載せる | どの時点も正確に読める | 数字が並んで形が見えにくい |
アイスタイルは1つ目です。さくらインターネットの ARRは2つ目にあたり、13本の棒の縦軸を2か所で波線に切りました。
さくらが扱うのは四半期ごとの ARR で、13本すべてに値を添えています。読み手が知りたいのは各四半期の到達額なので、値が要ります。アイスタイルの横軸は月で、24本あります。24個の数字を並べても、読み手が使う数字は両端の2つだけです。
本数と、読み手が実際に使う数字の数が、扱いを分けています。
棒を1本だけ緑にする
24本のうち23本がグレーで、最新の25/9だけが緑です。
全部を同じ色にする作りもあります。
同じ色だと、24本が対等に並びます。月次の系列は右端が最新だと決まっていますが、右端であることと、示したい値であることは別です。緑の1本が、読む場所を指定しています。
比較のために色を使う例もあります。エン・ジャパンは2本を別の色にして、前年同期と当期を指定しました。アイスタイルのページは比較ではなく到達点を示すものなので、色を付けたのは1本だけです。
数字を2か所に絞る
値が書かれているのは、左端の890万人と右端の1,080万人だけです。あいだの22本には何も置かれていません。
24本すべてに値を添える作りもあります。
すべてに置くと、棒の上に数字が24個並びます。月ごとの増分は8万人ほどなので、隣どうしの数字はほとんど同じに見えます。読み手は24個を読んでから、両端を引き算することになります。
2か所に絞れば、引き算が1回で済みます。24本の棒は、増え続けた形を示すためだけに置かれています。
目盛りも横罫も引かない
縦軸に目盛りがなく、横罫も引かれていません。棒の下端をそろえる線が1本あるだけです。
目盛りを引く作りもあります。
目盛りを引くのは、途中の値を読ませたいときです。アイスタイルのページには数字が2か所しかないので、目盛りを引いても読み取る先がありません。棒の高さを軸で確かめる動作が増えるだけです。
引かなければ、24本の並びだけが残ります。軸との往復が起きないので、形を見るページとして読めます。
月次や週次の長い系列を棒で見せるなら、数字をどこに置くかを先に決めてください。
読み手が使う数字が両端の2つだけなら、置くのも2か所にします。全部に添えると、読んでから引き算する作業が発生します。各時点の値が要るページなら、本数を四半期単位まで減らしてください。
数字を絞ったら、目盛りも横罫も外します。読み取る先がないので、軸との往復が増えるだけです。
強調する棒は1本に絞ってください。到達点を示すページなら最新の1本、比較を示すページなら2本です。3本以上を色分けすると、どれが主なのか分からなくなります。
区切りを入れたいときは、点線を1本だけ立てます。年度の境なら、ラベルを足さなくても位置で伝わります。
事業を図にした1枚
生活者データを軸にした事業の循環
このスライドの作りをプロンプトにする
# 参考にするスライド 株式会社アイスタイル「2026年6月期 第1四半期 決算説明資料」28ページ目「生活者データを軸にした事業の循環」 https://slidezukan.com/docs/istyle-2026q1/#p28 # 分類 資料の種類:決算説明資料 スライドの内容:ビジネスモデル 図版の型:サイクル図 配色:緑 # 読み取った作り - 見出しを結論にする:ヘッダーの文字を「生活者のデータを軸に…」と主張の形で書いています。ページの題ではなく、読み取ってほしい内容が入ります。 - 三角に配置して結ぶ:3つのサービスを正三角形の頂点に置き、中央のデータベースと双方向の矢印で結んでいます。中心と周囲の関係が、配置だけで伝わります。 - 写真を円に切り抜く:各サービスの写真を丸く切り抜き、ロゴと数値を円の外側に置いています。抽象的な図に具体的な利用場面が1つずつ紐づきます。 # 資料全体の決まり - 使用する色は6色まで - 章の切れ目に中扉を置く - 表紙の配色を以降のページへ引き継ぐ - 表紙の次はその他 # 依頼 上の作りをそのまま使って、次の内容でスライドを1枚作ってください。 内容:(ここに自分が載せたい内容を書く) 変えたいところ:(あれば書く。無ければ「なし」)
3つのサービスを正三角形に置き、中心のデータベースと結んだ図です。見出しには題ではなく結論が書かれています。
アイスタイルの四半期決算説明資料の28ページ目にあたります。事業のつながりを示す図のページです。
アイスタイルは @cosme というひとつの名前で、メディア・EC・実店舗の3つを運営しています。3つは別々の事業として数えられますが、会社が主張したいのは別々ではないという点です。
つながりの正体はデータです。メディアに集まった口コミ、EC の販売データ、店舗の購買履歴が1か所に集まり、3つすべてに返っていきます。形のないものを図にする必要があります。
中央に円、周囲に3つのサービスという構成です。
| 位置 | 中身 |
|---|---|
| ヘッダー | 「生活者のデータを軸に、日本No.1の美容プラットフォームを構築」 |
| 中央 | 円柱のデータベース。ユーザー・商品・クチコミ・販売データの4段 |
| 上の頂点 | 丸く切り抜いた写真。@cosme のロゴと MAU |
| 左下の頂点 | 同じく写真。@cosme SHOPPING のロゴと取扱い商品数 |
| 右下の頂点 | 同じく写真。@cosme STORE のロゴと国内店舗数 |
| 矢印 | 中心と3頂点を結ぶ双方向の緑3本 |
| 脚注 | 数値の時点。左下に小さく |
3つの頂点は、緑の細いリングでつながれています。
事業のつながりを示す方法は、3通りに分かれます。
| やり方 | 得るもの | 失うもの |
|---|---|---|
| 中心に共有物を置いて放射状に結ぶ | 何を共有しているかが1か所で分かる | 事業どうしの直接の関係は描けない |
| 円周に工程を並べる | 順序があると示せる | 中心に置くものが要る |
| 枠の入れ子にする | 所属が包含だけで読める | 流れの向きが出ない |
アイスタイルは1つ目です。ビズリーチの現状の構造は2つ目にあたり、開発の5段の工程を円環に並べました。工程の名前が、円の内側に沿って入っています。
工程には順序があります。前の段が終わってから次へ進むので、円環に並べると順番が形で伝わります。アイスタイルの3サービスに順序はありません。メディアから EC へ、店舗からメディアへ、どの向きにも人は動きます。
順序がないものを円周に並べると、ない順序があるように読めます。中心に共有物を置いて放射状に結べば、3つは中心に対して対等になります。同じ資料の2ページ目は3つ目にあたり、同じ3サービスを枠の入れ子で描きました。区分を示すページとつながりを示すページで、描き分けられています。
見出しを結論にする
ヘッダーには「生活者のデータを軸に、日本No.1の美容プラットフォームを構築」と入っています。ほかのページは「セグメント別売上高 / 四半期別推移」のような題です。
題を書く作りもあります。「事業の循環」や「ビジネスモデル」と入れる形です。
題だけだと、図を見て意味を組み立てることになります。円と矢印でできた図は、読み取れることが1通りに決まりません。データが集まるという話にも、3つが連携しているという話にも読めます。
見出しに結論を書けば、図は裏付けになります。読み手は主張を読んでから、図で確かめる順序になります。
3つを正三角形に置く
メディアが上、EC が左下、店舗が右下です。中心からの距離は3つとも同じで、矢印の長さもそろっています。
横1列に並べる作りもあります。
横に並べると、3つのあいだに中心ができません。データベースを置く場所がなくなり、3つの下か上に並べることになります。矢印も3本の長さが変わります。左端のサービスから中央のデータベースまでと、中央のサービスからの距離が違うためです。
正三角形なら、中心が図形として決まります。矢印の長さが同じなので、3つのサービスがデータベースに対して対等だと形で分かります。
写真を円に切り抜く
各サービスの写真が正円に切り抜かれ、リングの上に乗っています。ロゴと数値は円の外側です。
写真を四角のまま置く作りもあります。
四角を乗せると、リングという曲線の上に直線の図形が3つ並びます。図形の種類が2つになり、写真のほうが図の構造より目立ちます。
円に切れば、リング・写真・データベースの断面が同じ曲線でそろいます。ロゴと数値を円の外に出したので、円の中は写真だけです。抽象的な図に、具体的な利用場面が1つずつ結び付きます。
事業のつながりを図にするなら、つながっているものに順序があるかを確かめてください。
順序があるなら円周に並べます。順序がないなら、共有しているものを中心に置いて放射状に結んでください。順序のないものを円周に並べると、ない順序が読み取られます。
周囲に置くのが3つなら正三角形、4つなら正方形にします。中心からの距離をそろえれば、矢印の長さもそろいます。5つを超えると1つあたりの場所が狭くなるので、まとめられるかを検討してください。
見出しには題ではなく結論を書きます。図は読み取り方が1通りに決まらないので、主張を先に置いたほうが早く伝わります。
写真を使うなら、図形の種類を増やさない形に切り抜いてください。円の図なら円に、四角の図なら四角に合わせます。ロゴや数値は写真の外に置けば、写真は利用場面だけを受け持ちます。
自分で作るなら
48ページを支えているのは、セグメントのタグをヘッダーに固定することと、数字の理由を置く欄を下端に作ることの2つです。
順番としては、まず同じ見出しが繰り返されるページを探してください。セグメント別や地域別の推移は、たいてい同じ型のページが何枚も続きます。続くなら、ヘッダーに色付きのタグを足して見分けが付くようにします。
次にトピックスの欄を決めます。ページの下端に高さを決めて枠を取り、グラフでは説明できない事情をそこへ書いてください。欄を作っておかないと、説明が図の中の注記に紛れ込みます。
参考資料は最後です。会社概要と沿革を後ろへ回せば、本編を短いまま保てます。