
スライドの基本になる4つの部品と6つの型
2026年9月21日 公開
掲載スライドと出典から書いています
白紙のスライドに何から置けばいいか分からないとき、原因は中身ではなく置き場所が決まっていないことにあります。
スライドは4つの部品でできています。ヘッダー、本文、図表、フッター。4つの枠を先に引いてから中身を入れると、1枚あたりの判断が「どの枠に何を入れるか」だけになります。
部品の構成は場面が変わっても同じです。読み手に何を求めるかで変わるのは、枠の中身のほうです(参考にするスライドの選び方)。
4つの部品
| 部品 | 置くもの | 役割 |
|---|---|---|
| ヘッダー | ページの題、ロゴ | 何のページかを示す |
| 本文 | 言いたいことを書いた文 | 主張そのもの |
| 図表 | グラフ、表、図解、写真 | 主張の根拠 |
| フッター | ページ番号、社名、出所 | 読み手の道具 |
読み手が最初に読むのは本文です。図表は本文を疑ったときに確かめる先なので、面積は広くても主役ではありません。
アイスタイルのセグメント別売上高を見てください。上から、緑の罫線で区切った題、灰色の面に「マーケティング支援・リテール事業がトップラインを牽引」の1行、グラフ、右下にページ番号。4つが順に並んでいます。
グラフを消しても「何が言いたいか」は伝わります。本文を消すと伝わりません。
ヘッダーに書くこと
ヘッダーに入るのは、ページの題とロゴだけです。
題は「何のページか」を名詞で書きます。「セグメント別売上高 / 四半期別推移」のように、対象と切り口を並べる形が多く使われています。言いたいことは題ではなく本文に書くので、題は名詞で終わって構いません。動詞で終わらせると、下の本文と役割がぶつかります。
章が多い資料では、ヘッダーを2段にする手があります。ゼンリンの付録ページは上段に「Appendix:2026年3月期 実績」、下段にページの題を置いて、本編と付録を見分けられるようにしています。
ロゴは右上が定型です。
本文の書き方
本文は主語と述語のある文で書きます。
「マーケティング支援・リテール事業がトップラインを牽引」のように、何がどうなったかを1行で書く形が最も多く使われています。2行を超えると読み手が図表へ進む前に疲れるので、1行に収めてください。
置き方は2通りあります。面を敷いて中に書くか、罫線の下に文字だけ置くか。
本文が書けないページは、まだ中身が決まっていません。文が書けるようになってから図表を作るほうが早く終わります。
箇条書きも本文です。言いたいことが2つあるときは、行頭に記号を付けて2行に分けます。エン・ジャパンの KPI ページは「利用企業数は継続的に増加」「求職者会員数は堅調に推移」の2行を四角の記号付きで並べています。
型は6つ
本文と図表の組み合わせ方は6通りです。載せる要素の数と、要素どうしの関係で決まります。
本文1行 + 図表1つ
いちばん多く、いちばん簡単な型です。上に1行、下にグラフ1つ。
迷ったらこの形にしてください。入りきらないときに初めて分割を考えます。ゼンリンの構成比のページは横棒5本を1つ置いているだけです。
図表を左右に2つ
対になるものが2つあるとき。売上と利益、前年比較と前期比較といった組み合わせです。
京セラのセグメント実績は左に売上高、右に事業利益を置き、それぞれをさらに上下2段に割っています。図表の右に説明文を添える形なので、本文の1行はありません。型としては図表が主役になります。
左右で違う種類のものを置くと、比較のための形なのに比較できません。
図表を3つ以上並べる
同じ重さのものが3つ以上あるとき。事業が3つ、製品が3つといった場合です。
エン・ジャパンの KPI ページは、3つのサービスを横に、2つの指標を縦に並べて6つの区画にしています。本文は上に2行。列が事業、段が指標という対応です。区画の中身はどれも「数字と前期比」の2つだけに揃えてあります。
4列を超えると1列あたりの幅が足りず、文字が折り返し始めます。数が多いときは列ではなく段を足してください。
カードを敷き詰める
数字だけを大量に見せるとき。
バフェットコードの収録データの規模は、国内企業数から収録資料数まで6つの数字を同じ大きさの箱にして2段3列に並べています。本文の1行はありません。個々のカードに関係が無く、全体で規模を示す型です。
カードの大きさを中身に合わせて変えると、指標の重さが違うように見えます。揃えてください。
本文だけ
理念や方針のページ。図表を置かず、文だけで組みます。
Smart相談室の理念の3層は VISION・MISSION・VALUE を3段に分け、段の間を広く空けています。段ごとに文字量が違っても、間隔が揃っていれば1枚として読めます。
置くものが少ないぶん、文字サイズの差を大きく取れます。
全面に1つ
区切りのページ。枠を外して画面全体を使います。
エン・ジャパンのパーパスは写真を全面に敷き、中央に一文を置いています。ヘッダーの題は左上に小さく残していますが、フッターはページ番号だけです。
全面を使えるのは、言いたいことが1つのときだけです。
型の実例
すべて見る →フッターに置くもの
フッターはページ番号、社名、出所の3つです。
ページ番号は右下が定型です。質疑応答で「何ページの件ですが」と指定されるため、社外に出す資料では必ず入れてください。表紙と中扉だけは外す例が多く見られます。
出所は図表の下、フッターの上あたりに小さく置きます。外部の統計を使ったときは、出典の名前と年次まで書きます。
フッターは読ませる場所ではありません。文字は本文より小さく、色も薄くしてください。
作る順番
枠を引いたら、順番に埋めます。
- ヘッダーの題を書く
- 本文を1行で書く
- 本文の根拠になる図表を選ぶ
- 6つの型から選ぶ
- フッターを入れる
3番で選ぶ図表は、見せたい数字の性質で決まります。期ごとの大小なら棒グラフ、増減の要因ならウォーターフォール、構成比の推移なら積み上げ棒。数値ではなく関係を見せたいときは、順序があるならフロー図、循環するならサイクル図、関係の無いものを同じ重さで見せるなら並列を選びます。
1枚目から順に作る必要はありません。枠だけ作ったスライドを必要な枚数ぶん複製して、本文の1行が書けたページから埋めていくほうが手戻りが減ります。
詳しく読む
部品ごとの作り方は、用語ページにまとめています。
- ページの型 — 表紙、目次、業績ハイライト
- 図表の型 — 棒グラフ、ウォーターフォール、並列、サイクル図ほか17種
- 決める順番の全体像 — プレゼン資料の作り方
- 参考にする資料の選び方 — 見た目より場面で選ぶ
掲載しているスライドには1枚ずつ解説を付けています。同じ型を並べて見たいときに使ってください。
掲載しているスライド
すべて見る →この型で作る
読んだ内容をそのまま自分の資料へ移すなら、現物を開いて全体の作りから確かめてください。 各資料の記事には、生成 AI へ渡せる形の書き出しも付けています。
この記事の数値は、スライド図鑑に掲載している資料を集計して算出しています。 掲載件数が増えると数値も変わるため、本文では「このデータの範囲では」という限定を付けています。 集計で言えないことは、書名と著者を挙げた出典から引いています。 下書きの生成に AI を使い、公開前に人が確認しています。
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