
プレゼン資料の作り方で先に決める5つのこと
2026年9月21日 公開
掲載スライドと出典から書いています
プレゼン資料は、決める順番を間違えると作り直しになります。配色を先に決めてから構成を入れ替えると、決めた色を置く場所がなくなるからです。
スライド図鑑には、企業が投資家や求職者へ向けて社外に出した資料を集めています。1枚ずつ読み解いていくと、決める順番そのものに共通したものがありました。
手を付ける順番
決める順番は5つです。資料全体の構成、1枚ごとの用件、図解の型、配色、文字。
後ろから決めると、前が動いたときにやり直しになります。文字の大きさを先に揃えても、図解が入れ替われば置き場所が変わります。配色も同じで、図解の数が決まる前に色を割り当てると、色が足りなくなるか余るかのどちらかになります。ページの構成が固まってから下の4つに進めば、決め直しは起きません。
順番を守れば、途中で時間切れになっても、決めたぶんは残ります。
資料の種類でページの大半は決まる
最初に決めるのは資料の種類です。種類が決まれば、載せるページの大半が決まります。参考にする資料の選び方は見た目より場面で選ぶにまとめました。
| スライドの内容 | 枚数 | 割合 |
|---|---|---|
| 業績ハイライト | 59 | 13.8% |
| 技術構成 | 54 | 12.7% |
| ミッション | 49 | 11.5% |
| まとめ | 44 | 10.3% |
| 表紙 | 38 | 8.9% |
| 働き方と制度 | 30 | 7% |
集めた決算説明資料では、業績ハイライトが半分近くを占めていました。残りは表紙・中期計画・目次が続きます。採用資料では顔ぶれが変わり、ミッション・働き方と制度・メンバーが並びます。
読み手は同じ種類の資料を何本も見ています。見慣れた順序から外れたページを足すなら、足す理由を説明できるときだけにしてください。
1枚に用件を1つ
置く場所が決まっていれば、1枚あたりの判断は「どの枠に何を入れるか」だけになります。ヘッダー・結論の1行・本文・フッターの4つに分ける形は、スライドの基本にまとめました。
枠を引いたうえで、1枚に用件を2つ載せると、読み手はどちらを見ればいいか分かりません。
分かりやすいのが表紙です。集めた表紙では、置かれている情報が資料名・期・社名・日付の4つに収まっていました。事業の説明やキャッチコピーを足した表紙は見当たりません。表紙の用件は「何の資料か」を伝えることだけだからです。
集めた表紙
すべて見る →用件が2つあるなら2枚に分けてください。
図解を選ぶ基準は数字の側にある
図解の型は、見せたい数字の性質で決まります。好みで選ぶものではありません。
| 図版の型 | 枚数 | 割合 |
|---|---|---|
| なし | 199 | 46.7% |
| フロー図 | 43 | 10.1% |
| 並列 | 38 | 8.9% |
| 表 | 21 | 4.9% |
| 棒グラフ | 20 | 4.7% |
| 比較 | 13 | 3.1% |
| 画面キャプチャ | 13 | 3.1% |
期ごとの大小を比べるなら棒グラフ、前期と当期の差が何の要因でいくら動いたかを見せるならウォーターフォール、構成比の推移なら積み上げ棒。掲載スライドでも、その対応でほぼ例外なく使われていました。
数値ではなく要素どうしの関係を見せたいときは、グラフではなく図解を選びます。順序があるならフロー図、循環するならサイクル図、段階を追って上がるなら階段、関係が無いものを同じ重さで見せるなら並列です。掲載スライドでいうと、アイスタイルの事業の循環がサイクル図、京セラの ROE 予想が階段、SmartHR の実績の3指標が並列にあたります。
図解を使っていないスライドもあります。内訳は表紙と目次と理念で、資料の区切りにあたるページです。区切りのページにグラフを置かないことは、作りが足りない証拠にはなりません。
色数を増やさず濃さを変える
配色で決めることは2つだけです。基調色を1つ選ぶことと、濃淡を何段に分けるか。
集めた業績ハイライトでは、ほぼすべてが色を2〜3段に分けて、濃い色で「見るべき数字」を指定していました。全部を同じ色で塗ったグラフは見当たりません。
色を足すと、読み手は色ごとの意味を覚えることになります。
詳しくは業績ハイライトで濃く塗る棒は何本かにまとめています。
文字を削るのは最後でいい
文字を減らす前に、置き場所を決めてください。
掲載スライドで繰り返し出てくるのが、結論を上部の帯に1行で置く作りです。ゼンリンの付録ページでは、薄いティールの面に結論が1行だけ置かれています。帯の位置が決まっていれば、下の本文がどれだけ増えても、読み手が最初に見る場所は動きません。
置き場所が決まらないうちに削ると、削ったあとで足し直すことになります。
文字組みそのものを整える手順は『伝わるデザインの基本 増補改訂3版』(高橋佑磨・片山なつ、技術評論社)が詳しく、行間・字間・フォントの選び方まで手順の形で書かれています。
時間が足りないとき
作る時間が足りないなら、順番の前半だけを守ってください。
資料の種類に合わせてページを並べ、1枚に用件を1つだけ置きます。2つを守れば、読める資料にはなります。図解と配色が既定のままでも、構成が合っていれば読み手は内容を追えます。
配色と文字だけ整えて構成を崩すと、見た目が整っているぶん読みにくさの原因が分かりにくくなります。手を抜く場所は後ろから選んでください。
構成が決まっているページの例
すべて見る →もっと詳しく知るには
図解の型と数字の対応をひととおり学ぶなら『Google流 資料作成術』(コール・ヌッスバウマー・ナフリック、村井瑞枝 訳、日本実業出版社)が向いています。資料の骨組みの作り方は『外資系コンサルのスライド作成術』(山口周、東洋経済新報社)にまとまっています。おすすめの本に5冊を挙げました。
スライド図鑑では、掲載しているスライドすべてに1枚ごとの解説を付けています。同じ型を並べて比べたいときに使ってください。
掲載しているスライド
すべて見る →この型で作る
読んだ内容をそのまま自分の資料へ移すなら、現物を開いて全体の作りから確かめてください。 各資料の記事には、生成 AI へ渡せる形の書き出しも付けています。
この記事の数値は、スライド図鑑に掲載している資料を集計して算出しています。 掲載件数が増えると数値も変わるため、本文では「このデータの範囲では」という限定を付けています。 集計で言えないことは、書名と著者を挙げた出典から引いています。 下書きの生成に AI を使い、公開前に人が確認しています。
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記事一覧 →- スライドを参考にするなら見た目より場面で選ぶ
きれいなスライドを見つけて真似したのに、自分の資料ではうまくいかない。原因は腕前ではなく、参考にした資料の読み手が違うことにあります。選び方を整理しました。
- スライドの基本になる4つの部品と6つの型
スライドはヘッダー・本文・図表・フッターの4つでできています。本文と図表の組み合わせ方を6つの型に整理して、実例へのリンクと一緒に並べました。








